6章『アレキサンライス寮』1 ページ35
無事箒も手に入れた。後は学校に帰るのみだ。そう思って手に落ちた箒に目をやると、まるで今にも空に飛びたそうに箒は震えた。
…そういえば、どうやって箒で飛ぶのだろう。何も聞いていないのだが、呪文などはないのだろうか。
他にも不安要素は沢山あるが、リリシアはそのまま飛ぶことにした。テレポートだってなんとかなったし、まあ大丈夫、と考えたわけだ。
恐る恐る箒にまたがる。が、箒に全く飛ぶ気配はない。依然としてリリシアに支えられているままだ。
「どうすればいいのかしら…?」
首を傾げ、箒のにまたがったままピョンピョン飛び跳ねるリリシア。
結果からいうと、箒は空に舞い上がったのだ。
舞い上がったのだが…その時リリシアは首を傾げている真っ最中で、片手でしか箒に捕まっていなかった。
「え、今このタイミングでーーーーー?!」
片手で箒にぶら下がって振り回されるリリシア。再確認するが、ここに来る前はリリシアは一人で森の中の風車に住んでいたのだ。
まさか箒に片手で捕まった姿勢で空中で振り回されるなんていうサバイバルの経験はあるはずもない。
つまり、箒に捕まっていれずに落ちた。
「キャアアアアァァ、ア…あれ?」
しかし、落ちてゆくリリシアの進行方向に素早く走った影。影はリリシアをストンと乗せると、今度は安定して空に浮かび始めた。
ハナモモの箒が、主君であるリリシアを助けたのだ。リリシアの恐怖に引きつった顔は驚く顔に変わり、そして笑みを漏らした。
宙に浮いた箒の丁度真っ正面、そこには大きな塔がそびえ、その中央付近には穴が空いており、今も多くの新入生が穴に飛び込んでいた。
リリシアは箒をその方向に傾けた。すると。
次の瞬間、箒は空気を切り裂いて進み始めた。風が頬にあたり、髪とマントがはためく。
眼下に見える森がめまぐるしく変わって、やがて学園の庭園が見えてきた。
そこを抜けると、ステンドグラスが入っていた窓は眼前に迫っていた。
穴に飛び込むと、箒は急激に失速してリリシアは箒から飛び降りる。
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コヨリ - たかさん» スプラトゥーンと全く関係ないですけどね(笑)。今後ともよろしくお願いします。 (2016年7月20日 22時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
たか - 新作来たー (2016年7月20日 19時) (レス) id: 1f4e2973eb (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - コヨリさん» あ、更新ヤッターって意味なんで大丈夫です。 (2016年7月17日 11時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
コヨリ - 阿須波さん» 最低一回は一日に更新するようにします…よほどのことがない限り (2016年7月17日 11時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 更新♪ (2016年7月16日 19時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
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