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5章『杖探し・箒探し』1 ページ28

「新入生の諸君、ようこそフルミンウォーレ魔法学校へ!」

スピーカーも何もないのに大きく響いたその声は、空気を震わせ、一同を黙らせるのには十分だった。

「よろしい。私はエイブラム・アリンガムである。魔法生物学を諸君に教えることとなる」

男性の方が見かけによらずハッキリとした声で話す。
魔法生物学…教科書をパラパラ見ると確か四大精霊についてや、ユニコーン、フェニックスなどについて学ぶらしい。

「そして、こちらが魔薬草学のオルガ・ゲーガン先生である」

アリンガムの隣に佇む女性が笑顔で会釈をする。口を開く気はないようだが。

「今日は、諸君の『杖探し・箒探し』の為に我々がこの『結界の森』を隈なく調べ危険な魔薬草や魔法生物を排除した」

そこまでアリンガムが言うと、不意に二人の横にある中の見えない銀色の大きな箱がガタガタ揺れた。
中には何が入っているのだろう。
それにしても、この巨大な校舎をぐるりと囲む果てしない森だ。隈なく探すなんてどれだけ骨の折れる仕事だろうか。

「諸君はこれからこの森に入り、自らの魔力を解き放つ杖と箒を創り出す!その方法を今から教える。一言も聞き漏らさぬよう!」

そう言うと、アリンガムは腕をスッと差し出して人差し指をリリシア達新入生に向けた。
そして、そのまま人差し指でグルンっと円を描く。

「これだと思う木に出会ったら、このようにして唱えるのだ。「汝、我が杖となりて我に力を与えよ!イーテン、杖!」と」

するとずっと隣で黙っていたゲーガンが微笑みながら「練習してみましょう」と言う。

「汝、我が杖となりて我に力を与えよ!イーテン、杖!」という呪文があちこちで繰り返される。

ひとしきり練習が済んだ後、またアリンガムは話し始めた。

「杖を手に入れたら、次は箒を創り出す。先ほどの呪文の杖の部分に箒を入れて唱えるのだ。杖はこのように振る」

アリンガムが懐から出した杖を優雅に振ると、先ほどまでガタガタ揺れていた箱が急に大人しくなった。

「うむ、『吸血薔薇』は意外に凶暴であるなゲーガン?」

「ええ。植物と侮れば痛い目に会いますわ」

そんな会話を交わす二人の教師を、先を促すような目線で見つめる新入生達。

5章『杖探し・箒探し』2→←4章『フルミンウォーレ魔法学校へ』7


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コヨリ - たかさん» スプラトゥーンと全く関係ないですけどね(笑)。今後ともよろしくお願いします。 (2016年7月20日 22時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
たか - 新作来たー (2016年7月20日 19時) (レス) id: 1f4e2973eb (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - コヨリさん» あ、更新ヤッターって意味なんで大丈夫です。 (2016年7月17日 11時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
コヨリ - 阿須波さん» 最低一回は一日に更新するようにします…よほどのことがない限り (2016年7月17日 11時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 更新♪ (2016年7月16日 19時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明咲こより | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年7月12日 16時

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