４章『フルミンウォーレ魔法学校へ』１ ページ21
翌朝のこと。
朝早く目の覚めたリリシアは、いつものように腕を一振りして紅茶を出した。
ここはアルナード商店街の中の宿。隣のベットからはヘレンの規則正しい寝息が聞こえて来る。
窓の外はまだ薄暗く、椅子に座って外を眺めていると、やがて遥か彼方からじわじわと空が水色になってゆく。
夜明けを見ながら、静かに紅茶を飲んでいると、リリシアはあるものに気づく。
徐々に明るくなってゆく空の向こうから、謎の影が接近してくるのだ。
謎の影は小さい方で、翼を広げた鳥のような形をしていた。
それもかなり大型の鳥だ。
接近してくるにつれ、その姿は鮮明になってくる。
「あれは…eagle？」
本に挿絵とともに書いてあった。尖ったくちばしに全てを見通すようなキツい眼。
翼を広げた大きく、神々しい姿。
それは完全にeagle…鷲そのものだった。
鷲はリリシアの居る部屋の窓にまで飛んでくると、翼で器用に窓をノックした。
慌てて窓を開けると、鷲は何かをリリシアの手に落として、再び飛び去っていった。
朝焼け空に消えてゆく鷲を見送ってから、リリシアは窓を閉め、手の中の手紙を見る。
表には、達筆な文字で『リリシアーネ・アクアフォール様、ヘレン・フローレンス様』
と書いてあり、裏返すとフルミンウォーレ魔法学校の校章である箒と杖が交差した模様の青色のロウと、『フルミンウォーレ魔法学校校長、ロゼリア・コンラッド』という文字が読み取れた。
…なぜ、私とヘレンが一緒に居ることをしっているのだろうか。
そんな疑問も、すぐに「コンラッド校長が物凄い魔女だから」というありきたりな結論に至った。
ヘレンはまだ夢の中だが、私宛でもあるのだから開けても別に良いだろう。
パリッと音を立ててロウを折ると、中からは金色の糸が出てきた。
前、リンテラストが使用していた文字伝達魔法だ。けれど、その時の糸の二倍の長さがある。
糸は例によってふわふわと文字を描き、「フルミンウォーレ魔法学校に登校するように。新入生の到着を心から待っている」という文字が浮かび上がり、消えた。
４章『フルミンウォーレ魔法学校へ』２→←３章『アルナード商店街』７
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コヨリ - たかさん» スプラトゥーンと全く関係ないですけどね(笑)。今後ともよろしくお願いします。 (2016年7月20日 22時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
たか - 新作来たー (2016年7月20日 19時) (レス) id: 1f4e2973eb (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - コヨリさん» あ、更新ヤッターって意味なんで大丈夫です。 (2016年7月17日 11時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
コヨリ - 阿須波さん» 最低一回は一日に更新するようにします…よほどのことがない限り (2016年7月17日 11時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 更新♪ (2016年7月16日 19時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
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