3章『アルナード商店街』3 ページ16
それに、確か今年入学するプリゼノは三人だった筈だ。
男の子なのか…
「グレイシアさん。買い終わりました」
そんな事を考えていると白猫たちを引き連れた少年が歩いてきた。
少年は私たちに気付いたのかこちらを一瞥する。
深紅の瞳が私たちを見つめ、ヘレンの瞳を見て動きを止める。
「君が、花兎のプリゼノか。僕は火狼のプリゼノ、フェリックス・へーデンベルクだ。よろしくな」
とヘレンに言うと、背中を向けてスタスタと歩き去ろうとする。
リリシアには目もくれずに、だ。
「あの…フェリックス?リリシアには挨拶しないの?」
ヘレンがフェリックスに呼びかけると、フェリックスはブロンドの髪を揺らしながら振り向いて首を傾げる。
「だって、そのリリシアという女の子はプリゼノではないだろう?やがて学校で会ったら挨拶するさ」
「…私もプリゼノなんですが」
おそらくだけれど、フェリックスは瞳を見て判断したのだろう。私の瞳はヘレンのように珍しくないから。
「え?だって君の瞳は…」
「ええ、水色よ。でも私は水狐のプリゼノ。リリシアーネ・アクアフォールっていうの。もし良ければ…リリシアって呼んでくれるかしら?」
そして、「プリゼノかどうかで人を判断するのは良くないと思うわ」と付け足す。
フェリックスは少し驚き、ムッとした顔をしながらも「ごめんよ」と謝った。
「改めて、僕はフェリックス・へーデンベルクだ。よろしく、リリシア」
「こちらこそ」
そう言って手を差し出すと、フェリックスも手を差し出し、二人は握手を交わす。
そしてフェリックスはグレイシアと一緒に姿を消した。
「失礼しちゃう!私には挨拶したのに、リリシアにしないなんて!」
「わからなかっただけよ。ヘレンは会った瞬間にわかってくれたわよね」
そう言って、二人で笑う。その様子を微笑ましく見つめていたリンテラストは、「まずはマントを買いに行きましょう」と誘った。
一歩進むごとに、不思議な世界が待っている。
なんて楽しい買い物だろう!
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コヨリ - たかさん» スプラトゥーンと全く関係ないですけどね(笑)。今後ともよろしくお願いします。 (2016年7月20日 22時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
たか - 新作来たー (2016年7月20日 19時) (レス) id: 1f4e2973eb (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - コヨリさん» あ、更新ヤッターって意味なんで大丈夫です。 (2016年7月17日 11時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
コヨリ - 阿須波さん» 最低一回は一日に更新するようにします…よほどのことがない限り (2016年7月17日 11時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 更新♪ (2016年7月16日 19時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
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