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あれから数日がたった今日、やっと放課後をむかえた俺は学校の門に止まっている高専行きの車に乗りこんだ。
今日はAに呪力を供給する日。
けどいつもと違うのは、今日は五条さんが任務でいないから付き添いが夏油さんであること。
言うほどあまり話した事はないから気まずさがある。
夏油さんと顔を合わせる時は決まって五条さんがいたから。
あの人は大人っぽくて優しげだけど、雰囲気が独特だ。
それは五条さんも同じだけど。
2人は最強の呪術師と言われるだけあって、他の術師とは根本的に何かが違う。
…認めたくないけど、あのAに並ぶ資格を十二分に兼ね備えた完璧超人。
二人を見ていると、俺がAに追いつける日はくるのかと不安になる。
そのくらいには卓越してる。
…俺だって、負けたくない。
「やぁ、伏黒君。いつも学生の放課後を奪ってしまってごめんね。」
高専に着けば、袈裟を来て悠々と佇む夏油さんが出迎えた。
まったりと笑うこの人の表情は見慣れたけど、やっぱり緊張する。
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君らから見たらそうなんだろうね。
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あの時の五条さんの言葉が不意に気になった。
あの言い方だと、夏油さんが悪い奴みたいに聞こえる。
…この人が?
分からない。俺が子供だからなのか、ただ五条さんが適当に言っただけなのか。
……実際どうでもいいけど。
俺はAに会えればそれでいい。
この人達の本性なんで知ったところでろくな事にならないだろうし。
「いえ。俺が好きで来てるんで。」
「そうかい。桜も喜ぶよ。」
ニコッと人当たりのいい笑顔を向けて、夏油さんはそう言った。
その言葉に、ちょっとした違和感を感じた。
けど確証には至らず、早速と言った様子で建物の中に入ろうと背を向ける夏油さんに俺は慌ててついていった。
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にゃーちゃん - 尊いです…!!!!面白過ぎて一話から一気読みしちゃいました(*´ω`*)更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年8月8日 10時) (レス) @page35 id: e862c91e4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 紅蘭さん» ありがとうございます!なかなか更新出来ていませんが頑張ります( •̀ω•́ )و (2022年7月28日 23時) (レス) id: c9709ff1e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭 - 長く続いでますね〜!頑張ってくださーい (2022年7月21日 23時) (レス) @page27 id: cf67288c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2022年6月25日 18時