episode.72 ページ22
スネイプの驚いたような顔にAは我に返った
『突然大声を上げてすみません』
そう言って恥ずかしそうにソファに座り直した
｢いや…レティーツィアは学会に興味はあるか｣
スネイプからの突然の先程とは全く関係の無い言葉にAは戸惑いつつも頷いた
『…それなりに興味はありますが』
｢そうか。なら、行くか｣
『っえ？』
思わず声が上擦ってしまった
スネイプは器用に片眉を上げてAを見た
｢次の学会にお前も出席しろ。将来この道に進むのなら、ツテは早めに作っておけ｣
『…流石スリザリンですね。まあ、その通りなんですけれど………将来ですか』
Aの先を見据えて話すスネイプにAは嬉しさの反面、申し訳なく思った
……きっと私は彼らとは居られない
全てが終われば私の存在は消えてしまうだろう
急に目を伏せ、考え込んだAにスネイプは違和感を感じる
将来、という言葉にAの瞳が揺らいだことに気がついていた
……やはり、レティーツィアは未来が見えているのか？それともまだ早いだけか？
それはクィレルの件と寮対抗についてのAの不可思議な言動から考えられたもの
手触りのよい艶のある黒髪を撫でる
この行動もたったの一年で癖となってしまった
｢そこまで深く考える必要はない……行きたくないなら構わない｣
『…いえ、行きます。教授となら行きたいです』
揺らぎが消えた強い光を放つ瞳が見えた
スネイプはふ、と満足げな笑みをこぼし再びAの頭を撫でた
｢これなら一緒にいる時間が増えるだろう｣
『律儀ですね』
｢約束ですからな｣
__________賭けはAの勝ちだった
未来が分かっているのだから当然である
Aが望んだのは夏季休業中のスネイプとの時間
『なら、たまにはご飯を食べにいらっしゃってください』
｢そんなことでいいのか？｣
『はい』
了承の意を含んだスネイプの問いかけにAは嬉しそうに笑った
初めて会った時よりも心を開いたような爛漫たる笑顔を思い出し、スネイプは気が済むまでAの頭を撫でていた
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えぐち - めっちゃあやかし緋扇混ざってるし面白いですね (2021年2月21日 21時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
クリ - この小説を読み始めました続編楽しみにしてます。 (2019年7月7日 12時) (レス) id: bcc8d54971 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - レモンさん» コメントありがとうございます^^*更新はゆっくりですがこれからもよろしくお願いします (2018年12月17日 15時) (レス) id: c0cb5464bf (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から読みました。とても面白かったです！すんなり世界観などにのめり込むことが出来ました！これからもこの作品を楽しみにしてます！ (2018年12月17日 14時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
renka20020319(プロフ) - あやかし緋扇が混じっててびっくりしました！とても面白い小説ですね！ (2017年6月4日 19時) (レス) id: a1d88666cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2017年3月9日 16時
