episode.66 ページ16
『ねえ、先生。死ぬなんて許さないよ』
顔を押さえ痛みに悶えるクィレルを冷たい目で見てAはそう言った
そしてローブに入れてある扇子を取り出して息を吸い込んだ
『_______"君を想えばこの胸に
__________忽ち桜咲き満ちて"』
唄い慣れたものでも愛しい彼を想いながら丁寧に唄い、舞う
この想いはずっと鍵をかけたままだけど
今様を唄う時だけは、どうか自分の気持ちに素直でいさせて
『_______"ふわりふわりと舞いながら"』
何処からか桜の花びらが現れAを中心に舞い落ちる
『_______"伝えておくれ、我が恋を"』
……私の声もこの身体も彼のためだけに使おう
彼に私の全てを捧げよう
最後の一拍まで手を抜かずに唄いきる
は、と一息吐いてクィレルの方を見る
涙を流しながら惚けたようにこちらを見る彼の火傷は消えている
｢……あの、｣
｢レティーツィア！！｣
クィレルが何かを言いかけた瞬間スネイプのAを呼ぶ声がそれをかき消した
声がした方を向くと視界が黒で覆われた
抱きしめられているのだと、これでもかという程の圧迫感でようやく気づいた
『……教授？』
声を掛けるが返事はなく、代わりに抱きしめる力が強くなった
そこで彼が少しだけ震えていることに気づく
愛おしさがこみ上げてくる
……今だけ、今だけでいいから
彼の背中に手を回し、抱きしめ返した
『教授、ただいま。私もハリーも無事ですよ』
｢………馬鹿者｣
いつも通り鼻を鳴らして返されたその言葉は今までで一番優しかった
心地よいリズムの心音に睡魔がやって来て、それに抗わず身を委ねた
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えぐち - めっちゃあやかし緋扇混ざってるし面白いですね (2021年2月21日 21時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
クリ - この小説を読み始めました続編楽しみにしてます。 (2019年7月7日 12時) (レス) id: bcc8d54971 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - レモンさん» コメントありがとうございます^^*更新はゆっくりですがこれからもよろしくお願いします (2018年12月17日 15時) (レス) id: c0cb5464bf (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から読みました。とても面白かったです！すんなり世界観などにのめり込むことが出来ました！これからもこの作品を楽しみにしてます！ (2018年12月17日 14時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
renka20020319(プロフ) - あやかし緋扇が混じっててびっくりしました！とても面白い小説ですね！ (2017年6月4日 19時) (レス) id: a1d88666cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2017年3月9日 16時
