episode.64 ページ14
試験が始まった
カンニング防止の魔法が掛かった羽根ペンを持ち、次々と問題を解いていく
まだ一年生なので試験は易しく作ってある
開始10分で解き終わり、残りの時間は魔法薬の調合を考えていた
一年生の実技試験は呪文学、変身術、魔法薬学の3つである
呪文学ではパイナップルをタップダンスさせることだった
それだけでは面白くないので机の上を50cm進むごとにバレエ、ワルツと様々なダンスを踊らせた
そして最後にバク転させればフリットウィックは手を叩いてとても喜んだ
変身術は鼠を嗅ぎたばこ入れに変えることで、Aは家にあった金色ベースに輝く紅を足しアンティーク調にした
もちろん真ん中に獅子を大きく彫ってある
マクゴナガルは満面の笑みで頷いた
魔法薬学は忘れ薬を作ることだが、Aには追加で課題が出された
……縮み薬って3年生の内容だよね
たとえ上級生向けの魔法薬の調合であってもAは余裕で完成させるのだが
同時並行で作られる2つの鍋を覗いてスネイプは無言で手持ちのボードに書き込んだ
その様子が何処か不服そうに見えるのは気の所為ではないだろう
時おり手元に視線を感じながらも、Aは両方完璧に作り上げた
最後の試験は魔法史の記述問題で、鍋が勝手に中身を掻き混ぜる大鍋を発明した風変わりな老魔法使いについて書くことだった
その事について書き、時間が余ったので関わった魔法使いの他の発明品を書いておいた
試験終了の声が掛かるとみんなが歓喜の声を上げた
そこまでしんどかったとは思えないAはさっさと教室を出て寮に戻った
部屋に入って机に向かい羊皮紙に羽根ペンを走らせた
……念には念を入れて書かなきゃね
すぐに書き終わり、Aは寮をひっそりと出た
人気のない廊下を音もなく歩く
無言で杖を振り、こっそりとパトローナスを出し柱の影に隠れさせた
そしてパトローナスをもう一体出して撫でていた
『……ハリーたちが行って10分経ってから教授が部屋の羊皮紙を見るように誘導してね』
わざと撫でている方にそう言い聞かせるように言うと後ろから気配がした
｢そうはさせないぞ｣
振り返った瞬間、赤い閃光が見えた
｢……すまない｣
気を失い倒れたAを抱き上げたクィレルがそう言った
Aが撫でていたパトローナスが霧散したことを確認したクィレルは、見つからないうちにその場を後にした
……もう一体のパトローナスには気づかないまま
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えぐち - めっちゃあやかし緋扇混ざってるし面白いですね (2021年2月21日 21時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
クリ - この小説を読み始めました続編楽しみにしてます。 (2019年7月7日 12時) (レス) id: bcc8d54971 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - レモンさん» コメントありがとうございます^^*更新はゆっくりですがこれからもよろしくお願いします (2018年12月17日 15時) (レス) id: c0cb5464bf (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から読みました。とても面白かったです！すんなり世界観などにのめり込むことが出来ました！これからもこの作品を楽しみにしてます！ (2018年12月17日 14時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
renka20020319(プロフ) - あやかし緋扇が混じっててびっくりしました！とても面白い小説ですね！ (2017年6月4日 19時) (レス) id: a1d88666cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2017年3月9日 16時
