左方向行ってみました ページ16
こんのすけと夜遅くまで勉強していたが途中で寝てしまったようだ。
起きて目をこする。
時刻は午前2時。
『・・・・・・』
ここからでは少し遠いけれど厠に行きたいので嫌々立ち上がる。
怖いけど、こんのすけは置いていく。迷惑はかけたくないのだ。しかも・・・。
「こんのすけは長いでしょう?こんちゃんとお呼びください、そして撫でて、褒めてください」
『・・・・・・』
そんなこんのすけを見て微笑み俺は部屋から出た。
真っ暗。ほんと真っ暗な本丸は何故かまた赤い液体の匂いが漂っていた。ブラック本丸だからか。
戦闘中の忍者さんが移動するように
俺はサササッ!サッ!という身の子なしで厠にたどり着いた。用が終わって帰ってこようとすると、先程まであった赤い液体の臭いが更に強くなっていた。
いつもは右に行って帰る。でもそれは遠回りだった。なら、左から行けば?と思うだろう。
左にはまだ入ったことの無い部屋がわんさかとあるのだ。刀剣様のために増築してあるようだったこのブラック本丸。一瞬だけ見たことあるが、そこには刀解された刀剣様がいて・・・無残な姿に変えられていたのだ。
『・・・・・・っ』
息を飲み込み気になる左の方向へ歩いていく。
ギシッギシッっとなる音。一応木刀持ってきたが緊張感が凄い。
壁に伝う自分の手ががゾワッとなるあの赤い液体が飛び散り天井からもぽたぽたと落ちていた。
怖い
それしか思わない。
俺の心を恐怖で満たし、早く帰りたいっという気持ちにさせる。
『(こんのすけ、連れてこれば良かった・・・)』
近侍でもこんのすけでも連れてくれば少しは楽だったのかもしれない。
なんだここは・・・と思いながら歩みを進める。前に進んでいるという感覚がないのだ。審神者の部屋から厠まで5分程度で着くはずが、もう10分程経っている。可笑しい。何科がおかしい。
ギシィッ!!
いきなり大きな音が響く。
踏み外したのではないだろうかと言うぐらい。
「誰だ・・・そこにいるのは」
ドスのきいた声が響く。3つの部屋のうち1つのふすまが開かれようとしていた。
木刀に手を添え、後ずさりすると。
ドン!
と何かにぶつかった。
ゆっくり、ゆっくり振り向くと・・・。
青緑の髪をポニテにした軍服のような人が俺を見て似たりと笑った。
『・・・・・・ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!』
声にならない声を大声で発した。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月16日 23時