今度の審神者は超怖がりでした《参》 (ページ33)

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逃走中① ページ33

出会った初め、こんのすけから貰った丸と｢さ｣が描かれた謎の紙を顔につけろと貼られたが暑苦しくて付けなかった。
前もよく見えないし･･･。

だけど、紙がない分、世界がよく見える。
神様の顔もよく見える。いい事尽くしだった。
良かった、こんのすけの魔の手に乗らなくて。

それはそうと俺は今カネさんさんと堀川くんから全力で逃げている。
この、真っ黒なタートルネックを左右対称に引きちぎろうと言うのだ。
半分ちぎれたらもう半分見えるっつーことは、火傷部分が見えるということ。

『絶対逃げる！』

ドタドタの鳴る廊下にみんな耳をすませたよう。

｢何してるの？！うるさいんだけど！｣

久しぶりの登場、大広間から出てきたみっちゃんの足の間を全力でスライディングで通り抜け駆け出す。

｢うわぁぁっ！｣

驚いて尻もちをついたみっちゃんはいい足留めになってくれた。
ナイス！みっちゃん！

｢おぉ、うぉおお･･･燭台切、ど、どいてくれ！｣

｢おね、お願いします！！主さんが逃げちゃう！！｣

｢･･･え、うん･･｣

少々時間をとりみっちゃんは避けたよう。
あとからドタドタという音が鳴り響いてきた。