今度の審神者は超怖がりでした《弐》 (ページ5)

今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:209,143 hit

一期さんと兄弟ページ5

｢体調はどうですかな？心配になりましてな｣

この話し方どうしても子供の頃から水戸黄門見てると、水戸黄門様にしか聞こえない。それか、明治時代のヒゲ生やした偉い人。
まぁ、一期さんはきっと偉い人なんだろうと思うし。ていうか、面倒見がいいって言う時点で偉い人だと思う。

『んー、まぁ･･･。一期さんは主の怖がりを鍛えるっ！てやつに参加しなかったんですね』

｢主殿、怖がりなんですな･･･初耳ですぞ｣

『えっ？』

俺も一期さんが知らなかったこと初耳ですぞ？
し、知らないってなんですか。俺貴方見た瞬間ビックリしましたよね。怒ってきた時半泣きでしたんぞ？

｢いやぁ･･･弟達とよく楽しそうに遊んでらっしゃるので、まさか怖がりだとは･･･｣

『一期さんもぜひどうぞ』

｢いや、私は･･･｣

『薬研先輩も一期さんいた方がいいよね？！』

バッと振り向き、不意打ちを食らった薬研先輩は静かな顔で｢あぁ、いち兄いた方が俺も五虎退も嬉しい｣なんて言うから、バッと振り向き不意打ち攻撃した俺が恥ずかしくなった。
俺なら悲鳴あげるのに薬研先輩はあげません。何故だ。何故なんだ。

｢･･･ほわわ･･･や、薬研がそういうのなら･･･｣

一期さんから｢ほわわ｣出ました。焼きたての肉まん見た時の言葉みたいな。
ていうか、｢薬研がそういうのなら｣って俺が言ったのは完全に断ろうとしたんだよな。
むむっ、何奴。

『俺もお兄ちゃん居て欲しいわ』

｢おや、主殿は兄弟はおらぬのですかな？｣

『他界しました･･･悲しい話をするわけじゃないけど･･･』

｢･･････そうですか｣

｢大将、その話詳しく聞かせてくれ｣

『先輩、何故だ。この物語がユーモアにならなくなるぞ』

｢俺は知りたいからだ｣

『なん･･･なんだと』

じゃあ、できるだけざっくり話そう。ブラックにならないように。そう思って口を開いた。