優しいなんて・・・ ページ17
土方side
俺は叫んだ。兎に角叫んだ。
『なんじゃこりゃァァァァァァァァァ!』
・・・じゃこりゃァァ・・・
・・・・・・・こりゃァァァ・・・
・・・・・・・・・りゃァァァ・・・
「うるさっ」
シャツ1枚でズボンの裾をまくり上げて椅子に座っている総悟が俺を凄い顔で睨む。
『テメェら何してんだ!』
俺は冷えぴったんを突っ込んだ袋を手に下げながら今の状況を把握する。氷が大量に入った風呂。水浸しになった風呂場。プカプカ殺人事件みたいに浮いている現次。
「現次が氷水入りたいって言うから・・・ほら、気持ちよさそうでしょう?」
「・・・・・・・・・ぶくぶくぶく」
『・・・溺れてるけど?!』
水中に手をばたつかせて、あっぷあっぷしている現次を見ていられず俺は氷水から出そうとする。
「あー、出しちゃだめー、そぉれ」
背中をドンッと押され、ばっしゃァァとThe氷点下並の冷たい水の中に落ちる俺。
『ぶっふぁぁっ・・・何してんだ!てめぇ!危うく死ぬところだっただろうが!』
「チッ・・・死ななかったのかィ」
俺はわざと総悟に落とされた。絶対そうだ。
『そぉれって聞こえたからな!覚えとけよ?!』
「あ、すいやせん。俺の頭ん中3秒歩いたら記憶を消し去る脳なんで・・・」
『んじゃあ、3秒でも消えない呪い掛けてやるよ』
「上等でィ、やってみろよゴラァ」
「・・・・・・・・・喧嘩、ダメ・・・」
「・・・・・・ごめん、ゴメンな?やらないって約束したもんな・・・・・・って事で覚えとけよ?土方ゴラァ」
現次は物凄い顔で総悟を見て次に俺を見る。
『わ、悪かった・・・け、喧嘩するの良くないもんな。せ、成長しないとな・・・俺達も』
「次やったら氷水に固める・・・・・・」
「そ、そんな事言わねーでくだせぇ・・・な?」
『・・・そうだ、総悟の言う通りだ。お、お前らしくねぇぞ?お前はもっと優しい奴だろう?え?』
「・・・・・・死ね」
言い方が気に食わなかったのか総悟の後ろに回り、ジトーと俺を見る。
「・・・・・・残念ながら優しくないんで・・・」
と言って俺を水の中に沈めた。沈めようとする力が半端ない。
ばっしゃァァン!
『・・・・・・』
「・・・・・・気が狂う、優しいなんて俺には似合わねぇ」
水の中であまり聞こえてなかったがこんな言葉を吐き捨てて現次は・・・ゆっくり俺に被さって倒れ込んできた。多分わざと。
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lime(プロフ) - 【死神くんは真選組】めっちゃ面白いです!主人公の過去とかもしっかりしてるし想像力豊か!!僕原作沿いの小説苦手で非原作沿い漁ってたんですけどとてもいい作品に出会えました!!更新ゆっくりでいいので待ってます! (2022年7月5日 22時) (レス) @page48 id: 9dc1bcf53d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月17日 19時