熱い体 ページ11
沖田side
今日はなんだか変だ。土方が起こしに来ない。廊下から聞こえるのは隊士達のソワソワ声。
『おい、テメーらうるせぇやい』
「あっ、沖田隊長!おはよう御座います(小声)」
『なんで小声なんでさ・・・』
「実は・・・西野隊長が・・・倒れ・・『倒れた?!』・・・です」
俺は急いで彼奴の部屋に行く。襖をスパーンと開くと誰もいなくて、変わりに「しーっ」という土方の声が聞こえた。
『・・・・・・現次は、何処ですかィ』
「・・・・・・ここだ」
土方さんの部屋を覗くと現次がぐったりと動かないまま氷漬けにされていた。体の至る所に氷の袋がいっぱいあり、俺はぎょっとした。
『な、なんですかィこれァ』
「なんか急に身体から蒸気が出てな・・・今冷やしてるんだ」
『・・・・・・』
「・・・・・・・・・疲労だってよ。ここまで疲労を引っ張りあげるやつは初めてだな」
『・・・・・・』
「お、おい・・・!」
俺はゆっくり手を伸ばし、緩く抱きしめる。何時もは感じられない奴の体温が感じられた。冷たく、氷のような体温なのにも関わらず今は自分に引き寄せた途端ジュワッという音が出る程熱かった。
『・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・無理させちまってたのか俺達は」
土方さんはそんな言葉を残す。俺も・・・仕事とかで無理させてしまっていたのかもしれない。
「・・・・・・・・はぁ、」
『・・・・・・現次』
小さくささやくと現次はゆっくりと目を開けた。虚ろな目でふにゃっとした顔をする。力が入っていない手で背中を撫でられる。
「・・・・・・・・・あ、にうえ・・・」
『・・・!』
「・・・・・・きょーも、頑張りましょう・・・・・・明日は・・・俺が死んだ日・・・・・・ですよ?」
『・・・・・・えっ』
「・・・・・・・・・は?」
「・・・ね?」
そう言って微笑みながら背中を撫でられる。俺は呆然としてその場で固まってしまった。
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Lime(プロフ) - 【死神くんは真選組】めっちゃ面白いです!主人公の過去とかもしっかりしてるし想像力豊か!!僕原作沿いの小説苦手で非原作沿い漁ってたんですけどとてもいい作品に出会えました!!更新ゆっくりでいいので待ってます! (2022年7月5日 22時) (レス) @page48 id: 9dc1bcf53d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月17日 19時