面倒臭い兄上 ページ31
『なんで兄上がここに居るんだよ・・・』
「それはこっちのセリフだ!なんで向こうにいるはずのお前がここに居るんだ!」
そう言って女の子を抱き抱える。幼く命をたっても俺と同じように歳をとる。
「こんなに、、見ないうちに・・・大きくなりやがって・・・お兄ちゃんは感激だぞ!何してた?元気か?ご飯食べてるか?」
『・・・一旦落ち着こうか。全部一気に来られても困るから』
俺はどうどうとなだめると「俺は動物じゃない!」なんて言うから『人も動いてんだから動物だろ』なんて言ってみる。
「なんでこんなに性格が変わってしまったんだァァァ!俺か?俺に原因あるのか?育て方間違ってたかァァ?」
『俺に聞かないでくれる?』
「じゃあ、みーちゃん!俺なんか間違ったことしてた?!現になんか悪い事吹き込んだ?!」
「喧嘩」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!そっか!そっか!喧嘩嫌いだもんな!喧嘩好きの俺とは違って変わってるもんなぁァ!」
兄上は妹の事を《みーちゃん》と呼ぶ。俺は《現》。本人は全部言うのが面倒臭いらしい。たった1文字付けるだけだろなんて思いながら微笑む。
『変わってるは余計だ。兄上の方が俺より変わってる』
「はぁん?俺は変わってませんけどー?これが普通ですけどー?」
『はいはいはい、ごめんなさい』
俺は面倒くさくてテキトーに謝る。それが気に食わなかったのか「ハイは1回だァァァ!」と頭を叩く。
いって・・・。
「てか、本当になんでこんな所にいるんだ。お前現世に居るはずだろ。あ、どーした?あれか?里帰りってやつか?恋しくなった?」
『違うけど』
「ギャーン!なんという事だ・・・。弟は不意打ち里帰りしてきたのかと思っていたのに。現場のみくさん!今の状況はどうですか!」
「りんご飴食べたい・・・」
「りんご飴ェェエエ工!・・・・・・弟よ!今すぐりんご飴を買ってくるのだ!健闘を祈る!」
ビシッと敬礼までしてくる謎の報道官は俺の背中を押してりんご飴を買いに行く。
「わぁい!」
『みく、おいで・・・』
何でこんな事されているのだろうか。俺はつい現世に帰ることを忘れていた。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月9日 22時