帰ってきたのにまた出かけるのか・・・ ページ15
土方side
「実はですね・・・・・・」
現次が繰り出した話は万事屋に会ったことだった。こいつの事を悪く言ったのか怒らせたお礼に自分の店に呼んでお茶しようと言い出したらしい。
普通の知り合いなら「はい、ついて行きます」で済むだろう。だが、いきなり今日初めて会いましたの人に「どう?今日ウチでお茶してかない?」なんて聞かれたら殆どが「え?」となるだろう。
どんな人か分からない、江戸の町民ならまだしも、木刀を携えた侍が目の前にいたらファンでない限り怯えてしまう。
此奴の場合もそうだ。此奴は屯所に貼られている子供用ポスター《知らない人にはついて行かない!!いっちゃダメだからね?絶対だからね?》を見て思い出し山崎を置いて逃げてきたらしい。
例え見廻りでもそんな事されたら逃げてきていいと伝えてある。
「・・・怖かった」
『山崎は後で切腹だな』
「あんぱんで釣られたんですよ?俺1回止めたんで山崎さん切腹確定ですね」
『次は総悟か俺と見廻り行くか』
此奴が連れていかれないように俺達が護らなければならない。万事屋から。
その時、ガラガラ!と扉が開き山崎が出てくる。
『てめっ、何してたんだ?あ?』
「その話は後で!西野隊長いらっしゃいますか?!」
「・・・・・・はい、また万事屋行くのは勘弁・・・」
「1回も行ってないじゃないですか!・・・じゃなくて、今旦那が・・・何者かと戦っていて苦戦中で・・・」
「・・・!特徴は?」
「黒い服に顔は隠れていて・・・っ見えなくて、足が透けていましたッ・・・!」
現次は俺から離れ山崎の話をしっかり聞く。
「・・・・・・その付近にいる方々は避難させましたか?」
「いえ、まだ・・・」
「今すぐその付近にいる住民の方々、通行人を避難させてください!」
『おい、現次・・・!』
「トシ兄、応援は必要ありませんから」
それだけを残して俺の隣においてあった刀を腰にさし、山崎と出ていった。・・・・・・俺は?置いてかれた?
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年6月9日 22時