いっそ、殺してくれ【伊黒小芭内】

いつも通り ページ2

そうだ、甘味処にでも行こう



なんて思ったのが間違いだった



A「あ、伊黒さんに、甘露寺さん…！
こんにちは」


甘露寺「Aちゃん！こんにちは〜！！今日も可愛いわね！きゅんきゅんしちゃう！」


A「いえいえ、私より甘露寺さんの方がとっても可愛らしいですよ。」


甘露寺「きゃー！Aちゃんにそんなこと言われたら照れちゃうわ！」


伊黒「甘露寺よりAの方が可愛いなんてことは無いだろう。だいたい、甘露寺より魅力があるとでも勘違いしてるのか？自意識過剰も甚だしいぞ」


A「…そんなことくらい、分かってますよ。私なんかじゃ、甘露寺さんの足元にも及びませんから」



うん、こんなの日常茶飯事。
慣れたじゃない、伊黒さんに…想い人に、貶されるのなんて…



伊黒さんの想い人は、甘露寺さん。
そんなこと、とうの昔から知ってる。


私には振り向いてくれない。
承知済みだ、簡単なことだ


けど、慣れててもやっぱり…



甘露寺さんをにくめない私が嫌いだし、伊黒さんへの気持ちを諦められないで、捨てきれない自分の方が…大嫌いだ



甘露寺「Aちゃんも甘いもの食べるの？」


A「いえ、散歩してた…だけです。それではまた」


こうやって嘘をついて、あの二人の元を去るのは…今日で何度目だろう




偽って取り繕っても、しんどいだけなのに




なんで、叶わない恋だとわかってるのに






好きになっちゃったかなぁ……

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