いっそ、殺してくれ【伊黒小芭内】

吸収エンドの来世 ページ19

伊黒side

俺には前世の記憶がある。


鬼殺隊であったこと。大正の時代に生きていたこと。その時代には鬼がいたこと。


無惨を討伐し、鬼を全て滅したこと。


もちろん、Aという仲間がいたこと、他にも柱という心強い仲間がいたこと。
お館様のように尊敬する方がいたことも、全て。


そんな柱のヤツらとは今世でも何故か教員として一緒にいるが、奴らも記憶があるやつとない奴がいて、たまにめんどくさくなる


だが、唯一前世の記憶の中であってないやつがいるとすれば


当時の泡柱…上弦の弐との戦闘で破れた花嶋Aという女の柱だ


最初こそある程度話していたが、甘露寺を傷つけたことが許せず、しばらく冷たく接したいたことが後悔ではある。


宇髄曰く、あんな酷い態度をとっておきながら俺のことを好いていてくれたとか


初めて聞いた時は、どんだけお人好しなんだと思ったが、それもあいつの優しさだったのかもしれない


もし、あいつに次会うことができたら、その時は…


A「もしもししのぶちゃん？ごめーん！寝坊しちゃったからあと15分くらい遅れるっ！
うん！ごめんね！すぐ行くから…！

やばいやばい！なんでこんな日に限って寝坊なんてしたんだ私〜！！」


伊黒「あ、あの」


A「へ？な、なんですか？ナンパならお断りですよ！私急いでるんで！」


伊黒「…いえ、人違いみたいです。」


A「そうですか、それでは！」


伊黒「あ、ごめんなさい。でも…連絡先、交換しても良いでしょうか」


A「え…あー、えっと…」


伊黒「突然困ります、よね…やっぱりなんでもないです。引き止めてしまってすみませんでした」


A「いえいえ全然！それじゃ！」



…もし次、あいつに会うことが出来て、記憶が戻っていたなら



謝りたかったと同時に、幸せそうでよかったと…伝えよう。





《謝らせて欲しい。そして君が幸せならよかった》

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