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思ったことをよく考えもせずに口走る。それが男たちの逆鱗に触れたようで、ヤツはこめかみをピクピクさせながら私を睨みつけた。
皮膚と皮膚がぶつかる音、頬へ受けた衝撃、しばらく感じていなかった痛みを受けて私はハッとする。頬を思いっきりぶたれたんだ。ジンジンと痛む頬が事実だということを突きつけてくる。
くそ。なんで私がぶたれなきゃならないんだよ。どう考えても悪いのは男じゃないか。気分も悪くなるし痛い思いもした。おまけにまだ離してくれない。最悪だ。
誰か助けて……。
「いでででで！何すんだてめぇ！」
突然男が叫び出し私の手をパッと離す。恐る恐る顔を上げるとシルクが鬼の形相で男の腕を掴んでいた。シルクは相当強く握っていたようで、男の腕に爪が食い込んでいる。
見たこともないほど怒っているシルクの表情は私でも恐怖を感じるもので、さすがの男たちもビビっていた。なんでそんなに怒って……。
「俺らの仲間に手ぇ出すな」
獲物を威嚇するために唸るかのような酷く低いシルクの声。気づけば私を取り囲んでいた男たちの更に外に、Fischer'sの皆が立っていた。
あまりの威圧感に耐え切れなくなったのか、男たちは一目散に逃げて行く。そりゃあ逃げるだろうね、怖いんだから。特にシルクとダーマの顔がヤバかった。鬼そのものというか鬼より怖い。まぁ、鬼を見たことはないけれど。
「行くぞ」
そう言いつつ私の手を引いて歩き出すシルク。他の皆も私を囲うようにして歩き始めた。余程心配してくれているようだな、本当に有り難い。あのままだとどうなっていたことか。
「本当に、有り難う」
私がポツリと感謝の言葉をこぼすと、皆はへらへらと笑った。さも当たり前かのような表情をしているものだから、私は心底安心した。
こうして身を守ってもらったのだから、もしコイツらに何かあったときには私が守ってやらなきゃいけない。もとよりそのつもりだ。私は皆が大切だし、きっとこれからも変わらない。
「シルク……そろそろ手を離しても良いんだよ？」
祭り会場の端の方、人が少ない場所まで来てもシルクは私の手を離そうとしなかった。皆がシンと静まって、“まだかなー”なんて話すカップルの声まで聞こえてくる。
「まだ離さんよ」
「え、なんで？」
私がシルクの言葉に尋ね返してみても彼は黙って歩き続けた。ザカオが“この辺だとよく見えるね”と呟く。皆が空を見上げワイワイと話し出した。
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華影(プロフ) - うさこさん» マロだけでなくコメントも有り難うございます！！そろそろ続編に参りますので、そちらもお楽しみいただけたら……！！ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ更新していきます！！ (2019年8月8日 10時) (
レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 日々お疲れ様です。やっと読む事が出来ました！甘くてほろ苦い、青春の1ページを覗かせていただいてる様な感覚…キュッと胸が締めつけられる…この先の2人を見守っていたい…なんて事を思いながら更新を楽しみにしております。暑いのでお体に気をつけてお過ごし下さい！ (2019年8月8日 9時) (レス) id: 37a2b7b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
華影(プロフ) - うさこさん» いつも有り難うございます！急に不安になるときってあるじゃないですか……そんなときメンバーの優しさが染みれば良いな、と。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 日々お疲れ様です！急に不安の波に飲み込まれそうになった主人公ちゃんに、メンバーの優しさがもう…うるっときてしまいました。 (2019年7月24日 9時) (レス) id: 37a2b7b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
華影(プロフ) - うさこさん» いつもありがとうございます！よく少女漫画とかで見るありがちな展開だとは思いますけど、彼らに沿って書けたのではないかと思っております(^∇^)徐々に更新していきます！！ (2019年7月21日 10時) (レス) id: 6fa3bd1abd (このIDを非表示/違反報告)
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