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最初の別視点がおれだってこんなの聞いてないって ページ6

最近、育ててくれてたやつが自分の親じゃないってことを知って数日
おれはなんとなく生きていた
なんとなーく学校に通って、なんとなーくどっかふらついて
学校から帰っても、遊ぶ友達もいないし
ふらふらと、公園に立ち寄った
公園にはおれと同い年ぐらいの女子が誰かを待っているかのように妙にそわそわしてて
気に入らねーな、だなんて思っていたら
ずべっ
思いっきり転んでしまった
痛い、普通に痛い
思わずうつむくと
『ねえ、大丈夫?』
さっきの女子が手を差し出してきた
「……あんた、だれ?」
見ず知らずのおれに手を差し出すだなんて
『通りすがりの小学一年生。君は?』
「灰払ヒョウ」
すると、にこりと笑った
『ヒョウくん、でいい?』
「好きにしろ」
くすり、と笑うと言った
『こけてたでしょ、手当てしてあげるよ』
「は?」
なんで、こいつはほぼ赤の他人のおれを助けようとしてんだよ
固まっていると、意を決したように手を引っ張った
『こっち』
「あ、おい」
水飲み場みたいなところまで連れてこられた
傷口に水が当たってしみる
「っ!」
『しみるからしれないけど、がまん!』
ごそごそ、とポシェットから大きめのハンカチを取り出す
そして、くるくると慣れない手つきでハンカチを巻いていく
『これでよし!』
満足げに笑っている
そんなところを見て、思わず言ってしまった
「いいのかよ」
『え?何を?』
「おれなんか手当てしてよかったのかよ」
『よかったけど、それがなに?』
「ハンカチ、わざわざ巻いてくれたけどさ。返せる保証はないし……」
ちょっと困ったそぶりを見せてから
『大丈夫、気にしてないし』
「でも……」
「おーい!A〜!」
二人組みの子がこちらにやってきた
多分、この二人がこの子の待っていた人だろう
気がついたらその子が二人に手を引かれて遠ざかっていく
「あ、待っ……」
『じゃあね!ヒョウくん!』
笑顔で手を振っている女の子
「……名前、なんていうの……」
手を伸ばしたままの状態でしばらく固まった

家に帰ってバンドエイドをちゃんと貼ってハンカチをとった
ハンカチは薄い水色でいかにも女子って感じだった
「洗ってもらおう」
そして、あの子に返さなきゃ

おれは学校から帰ってから公園に向かった
もしかしたら、もう一度あの子に会えるかもしれないから
あの子から貸してもらったハンカチを手に向かったものの一向に来なかった
やっぱり無理かとあきらめて、帰ろうとした時
『ヒョウくん?』
探していたあの子の声が後ろでした

昨日の会った少年と再会だってこんなの聞いてないって→←手当てしてあげた子が小説のキャラってこんなの聞いてないって



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ぶどう同盟 - 面白かったです!更新頑張ってください! (1月27日 18時) (レス) @page13 id: 55622bcd2b (このIDを非表示/違反報告)
ルヤン - 凄い良い作品ですね!応援しています!更新頑張ってくださいね! (2022年4月6日 0時) (レス) id: baac712d5e (このIDを非表示/違反報告)
なろくの兄貴(プロフ) - すごく面白かったです!更新ガンバって下さい! (2022年2月17日 8時) (レス) @page13 id: 0d477c8655 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カッパ巻き | 作成日時:2021年4月25日 15時

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