30話 ページ30
アダムサイド
「だから、俺もお前に本音を言おうと思う」
そう告げると、奥歯を噛み締めて、怒りと悲しみと困惑の感情を抑え込む彼女
その姿はとても痛々しくてそんな原因を作ったのは他でもない自身だということを考えるとより自身に嫌悪感を感じる
だが、それでも嘘偽りのない真実を伝えたいから…
「過去にAを捨て、違う人を選んでしまったのも全て俺の判断で今更否定しようだなんて思ってない
それは確かにあの時、俺が別の彼女に好意を寄せたのは事実だから」
こんなことを彼女に言う俺は側から見れば酷く最低な奴だと思われるだろう
「それでも何でだろうな…その判断がこうして今を苦しめるなんてこと思わなかった
一時的な感情って言ったら正しいのか分からないが別の彼女にそれを向け、Aを捨てたんだ」
そう自分で言っていて酷く吐き気がするほど言い訳じみた言葉だと思った
だかそれが自分の本音なのは間違い無くて
「一時的な感情を向けた彼女に対しても、自分の都合で別れを告げたAに対しても俺は謝りきれないほどに酷い仕打ちをした」
この好意という感情でどれほどの人を振り回したか分からない
だがそれでも俺はやはり今、Aに対して心から湧き上がる気持ちは抑えきれなくて
「これ以上、Aに対して俺の気持ちを押し付けたところで迷惑なことだと思われるのは当然かもしれない。だが、例えAにそう思われようとも俺は諦めきれないんだ…
だからこそ、いくらAに相手がいようとも俺はもう一度Aの側にいたいと思っている」
こんなにも汚い本音を彼女に伝える俺はきっとどうかしているだろう
だが、そんな本音でも俺は彼女に伝えて少しでも心に響いてくれれば…
「A…ッ…こんな本音を聞いてもお前は俺を拒否しないでくれるか?」
全てをさらけ出した自身受け入れて欲しいと願ってしまう貪欲な感情が止まらない
100人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Omiso(プロフ) - 白虎さん» またのコメントありがとうございます!私も少しこの小説を終わらせることに寂しさを感じちゃいました(笑)けれどこの作品を良いと言って貰えてとても満足しています!次回作は考え中なのでいつになるのか分かりませんが頑張ってみますね!本当にありがとうございました! (2019年4月28日 1時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 完結おめでとうございます…! そしてお疲れ様でした! 終わってしまい少し寂しい気もしますが、やっぱり感嘆しました…! とても良い作品を書いてくださってありがとうございました、次作の方、楽しみにしてます!! (2019年4月28日 0時) (レス) id: e2f4e0cbf0 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 13推しさん» 最後まで応援ありがとうございました!貴方様のコメントがとても励みになっていました!この作品を素晴らしいと褒めて下さり、読み返していただけるなんて嬉しすぎるお言葉とても感激です!本当に最後までこの小説につきあって下さりありがとうございました!! (2019年4月28日 0時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - mikuri1024さん» またのコメントありがとうございます!!今回の小説では病みの13はいませんでしたが、純粋な13を楽しんで頂けてられてたのならとても安心しました…。次回作についてはまだ考え中ですが貴方様の応援の言葉とても嬉しく思います!!本当に最後までありがとうございます! (2019年4月27日 23時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
13推し(プロフ) - 完結お疲れ様でした!!いやぁー、とても満足出来ました!素晴らしい作品をありがとうございます!これからもちょくちょく読み返します(笑) (2019年4月27日 23時) (レス) id: ad78e4c495 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Omiso | 作成日時:2019年3月26日 22時