最終話・「最高の嫌がらせ」を生涯に刻む ページ28
「ごめん。ごめんなぁ…ッ…!!オレ…アンタ達のことを…ウ゛ぁ…ずっと…ずっと…ッ!!!」
考えることもなく真っ先に出た言葉は謝罪だった。
そして、Sansは俯かせていた顔を上げて最初に5番目の人間と顔を合わせた。遺言も約束も破ってAを守れなかったことを正直に告げて再び謝罪した。
すると、親切な彼は首を横に振った。
「結果的にこうして生き返ったのだから守ったのも同然だよ。謝られることなんて何一つないんだ」
その親切さに心が痛くて目を逸らせば、Aと目を合った。優しげに微笑む彼女は「こら」と軽くSansを叱った。
「もう私たちは貴方を怒っても憎んでもいないんだよ。だから、謝罪もなし!それに気まずそうにしないでよ」
ムッと頬を膨らせる彼女。その言葉にも表情にもSansは切羽詰まった顔を緩ませてやっと笑みをこぼした。
「heh…アンタの方がオイラよりよっぽど大人だな。恥ずかしくて仕方がないぜ」
3人の笑い声が響き渡る。そして、一通り笑い終えたところでAが口を開いた。
「サンズ。もう「最悪な嫌がらせ」は終わってしまったね」
人間たちを見殺しにした愚かさ、直接手にかけてしまった罪悪感、その全てを一生をかけて背負っていけというAがSansに課せた最悪な嫌がらせ。
「…あぁ。そうだな。アンタたちは生き返ったんだからな」
「フフッ。そうだよ。私たちは生き返った。その感想を聞かしてほしいな」
それを聞くのは野暮だぜ。と悪態をつきたくなったが、ここは素直に答えておこうと二人と向き合った。
それぞれが柔らかな笑みを浮かべてこちらを見つめている。以前まではその笑顔すら忘れかけていた。
血濡れた二人ばかり脳裏に蘇って、その姿を永遠と繰り返した。だけど、これからは違うのだ。
「背負う覚悟でいた。アンタたちの死をずっと。そんな決意すらぶち壊して…本当に…ほんとうに」
「最高の嫌がらせだよ」とスケルトンは目尻に涙を零して笑った。
生涯を通してこの「最高の嫌がらせ」をソウルに刻み、決して忘れることはしないだろうと。
fin.
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レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(`;ω;´)作者さん神様かな?そうだね。次回作にも期待です(´;ω;`) (2023年2月26日 18時) (レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます!原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました!そこを褒めて下さって嬉しく思います!他作品も読んでくれるんですか!?本当に喜びで胸がいっぱいです!最後までありがとうございました! (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね!元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました!主様の他の作品も読んでみることにします! (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます!濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です!それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです!くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません?面白すぎです!!!最初はやっぱり恋愛かな?と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした!次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです!出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2022年8月12日 0時