25話・全てを思いを託して ページ26
Aとの思い出に背中を押されて前へ進んだ先、Sansはついに最後の審判として7番目の人間と向き合っていた。
7番目の人間は期待していた通りに動いてくれた。
温かな心を持って、どんなに自分が辛くて苦しくても正しい行いを貫き通し、絶対にモンスターを傷つけず、戦いから逃げる際も常に笑顔でいた。
それが、どれだけ尊いことか。
「…わかるかい?…わかんないかな」
人間とモンスターを繋げてくれる希望の存在へとなってくれたこと本当に感謝している。
きっと、あの子だってAだって皆、そう思っているだろう。
「さてと…アンタはいよいよこの旅で最大の試練を迎える」
これからとる行動が世界の運命を決める。
「アンタが戦うことを拒めばアズゴアに魂を取られて人間たちは滅びる。アズゴアを殺して地上に帰れば、オイラ達モンスターは地底の世界に閉じ込められたままだ」
さぁ、どうする?と絶望の選択を問いかけてみれば、人間は真っ直ぐにこちらを見つめてきた。
まるで他の選択肢があるのを知っているかのように。
モンスターを地底に閉じ込めたバリアを破壊する方法は人間の魂の消費以外にあり得ない。それをどう乗り越えていくかまだ想像すらつかないが、目の前の人間はそれすら乗り越えていける予感を与えてくる。
全てを平和的に解決して地上にモンスターを解き放ってくれるんじゃないか。と期待していたことを叶えてくれる…そんな予感が。
まぁ、ただの予感なんだが。だが、もしも本当に地上に出れたら自分がすることは決まっている。
真っ先に6番目の人間…Aのお墓を地上に作ることだ。
罪を犯して以来、まともに彼女の亡骸の元へ行けなかった。謝罪も何も出来ていない。
だから、地上に出たら彼女を殺した自らの手で彼女を埋めて、土に帰る前に顔をしっかり見て、今まで起こった出来事も心情も全て伝えて、最後に謝罪したい。
「ごめん。ありがとう」と。そして、これからもずっと供養させてくれ。魂が空に帰れるように。
地上で幸せを手に入れても尚、彼女を含めた今まで落ちてきた子供たちに花束を捧げたい。
そうして、Aを殺した罪悪という名の「最悪な嫌がらせ」を心に刻んでいくんだ。なんて…
地上でしか出来ない願いが叶えばいいのに。と横を通り過ぎる7番目の人間を見つめた。
その顔は決意で満ちていた。
「頑張れよ」
皆の思いが、最後の人間に全て託された。
53人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
タヒにたくないからモブの人生を選択したのにサンズさんの追跡がエグい〔undertale〕
悪女を愛すニンゲン君?【undertale AU】
もっと見る
「Undertale」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(`;ω;´)作者さん神様かな?そうだね。次回作にも期待です(´;ω;`) (2023年2月26日 18時) (レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます!原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました!そこを褒めて下さって嬉しく思います!他作品も読んでくれるんですか!?本当に喜びで胸がいっぱいです!最後までありがとうございました! (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね!元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました!主様の他の作品も読んでみることにします! (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます!濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です!それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです!くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません?面白すぎです!!!最初はやっぱり恋愛かな?と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした!次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです!出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Omiso | 作成日時:2022年8月12日 0時