２４話・紙一重な思い出 ページ25
7番目の人間を巡って地底は波乱に呑み込まれた。
それは、全ていい方向へと進んでいた。
人間は確実にモンスターたちとの仲を縮めて誰も殺さずに手を取り合っていった。
そして、冒険も終盤へ差し掛かり、Sansは高級レストランへ人間を案内した。
そこで人間にどうしても言っておかなけれならないことがあったのだ。アンタは多くの犠牲の上で生かされていること。そうじゃなければ、
「お前はとっくに死んでいた」
スノーフルの奥の扉の向こうで知らないおばさんとの約束があったからと人間には伝えたものの、本当はそれだけじゃない。
今までの子供たちによって人間への優しさを持ち合わせたから今がある。特に5番目と6番目の人間…A。忘れられないあの子によって。
Aがオイラが人間を手にかけることへのブレーキとして役割を果たした。
他のモンスターも同様だ。本気で今回の人間を殺しにかからないのも今までの子どもたちのおかげだ。
Sansはそれぞれ出会ってきた子ども達の顔を浮かべた。
地底の世界に怯え切った者「忍耐」
モンスターを悪とし戦いを選んだ者「正義」
優しさから手を取り合おうとした者「誠実」
最後まで生きることを諦めず抵抗した者「不屈」
モンスターの立場を優先させた者「親切」
親友を追いかけて未知の世界へ飛び込んできた者「勇気」
だが、それも虚しく生きた親友と会うことは叶わずに残酷な真実を受けいれて死を望んだ。
その死はオイラの心に枷をつけてくれた。この手で殺した温もりを忘れさせてなんかくれない。
他のモンスターも同様に6番目の人間を覚えていて今の人間と重ね合わせてる。優しさに殺すことを躊躇っている。
最初から人間と敵対して殺すことを不可能にした。
彼女が死に際で放った約束が全ての始まりだ。
破ろうにも破れない。ずっとまとわりついてくる罪悪を課せた強力なもの。
「…heh。本当に最悪な嫌がらせだな。A」
だが、そのおかげで平和的な未来へ繋がりそうな今がある。目の前の人間がもしかしたら…地底からモンスターを解き放ってくれるかもしれない。
ここまでこれたのは人間を信用することを教えてくれたA…アンタとの思い出があったからだよ。
苦しくて、痛くて、辛くて、
忘れてしまいたいぐらいなのに、大切な思い出。
ずっと思い出の中で輝き続けて、前へ背中を押してくれている。
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レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(｀；ω；´)作者さん神様かな？そうだね。次回作にも期待です(´；ω；｀) (2023年2月26日 18時) (
レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます！原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました！そこを褒めて下さって嬉しく思います！他作品も読んでくれるんですか！？本当に喜びで胸がいっぱいです！最後までありがとうございました！ (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね！元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました！主様の他の作品も読んでみることにします！ (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます！濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です！それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです！くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします！ (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません？面白すぎです！！！最初はやっぱり恋愛かな？と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした！次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです！出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます！ (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2022年8月12日 0時
