２０話・責任逃れは終わりだ ページ21
ポタリとA頬に落ちてきたものは、サンズの目から溢れている涙だった。
「宝物なんて言わないでくれ…ッ…そんな風に笑わないでくれ」
袖で涙を拭ったサンズはギロリとこちらを見下ろして叫んだ。
「どうしてッ…あの子もアンタもズカズカとオイラの気持ちに入り込んでくる。なんなんだ…ッ…何でかき乱してくるんだ！」
「サンズ…」
「同情なんてしたくなかった！アンタたちと友達になんてなりたくなかった！それならきっとこんなにも苦しくなる必要なんてなかったんだ！オレはモンスターとしてお前たちを簡単に見殺せたはずだったのに！！！」
「どうしたって助けてやれない」と再び涙をこぼすサンズに泣きたいのは私の方だよ。という言葉を飲み込んだ。
残酷な結果だ。寄り添えると思った。友達でいられると思った。生きられると思った。
だが、全ての期待を裏切られた。
しかし、こうなってしまうのではないかという予感があったと言っていいぐらいひどく心は落ち着いていた。
例外なんてない。今まで落ちてきた子たちは全員殺された。親友も。私もその一人に加わるのだろう。
そして、その役目をサンズは果たさなければならない。
人間とモンスターが分かり合えるのはまだ遠い未来なのかな。だったら、次に落ちてくる子供に全てを託したい。
「サンズ。泣かないで。貴方は私をどうしても殺さないといけなくなったんだね」
「そうだ。もう引き返せないんだ。アンタをアズゴアに引き渡す。見張り役として。それで全て終わりだ」
「サンズ、それは違うよ」
サンズの手をとって自身の心臓あたりに置いた。
「確かに貴方はいった。自らの手で私を殺すと」
「！」
「ちゃんとその言葉を口にした責任をとって。無責任は許さない。私を…貴方の手で殺して」
「いや…でも…オレは…」
「お願い。サンズなら私は抵抗しないよ」
相手のジッと見つめる。絶対に他の者に殺されることを譲るつもりはないと。
「……分かった。Aが望むならオレはやり遂げる。もう、責任から逃げることはしない」
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レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(｀；ω；´)作者さん神様かな？そうだね。次回作にも期待です(´；ω；｀) (2023年2月26日 18時) (
レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます！原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました！そこを褒めて下さって嬉しく思います！他作品も読んでくれるんですか！？本当に喜びで胸がいっぱいです！最後までありがとうございました！ (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね！元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました！主様の他の作品も読んでみることにします！ (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます！濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です！それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです！くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします！ (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません？面白すぎです！！！最初はやっぱり恋愛かな？と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした！次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです！出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます！ (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2022年8月12日 0時
