18話・必ずどちらかを裏切る ページ19
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Aは真っ白な雪を踏みしめながら息を切らして走っていた。
Sansに宿泊所で「待っててくれ」と言われていた。だが、かなりの時間が経っても帰ってこないため、外へ様子を見に行こうとすると、カウンターにいたモンスターが「ここに人間がいる」と通報していたため宿泊所から抜け出したのだ。
だが、すぐに気付かれてしまい鎧を身に纏った複数のモンスターに追われている。
スノーフルの景色を横目に走り、後ろから着実に迫ってくる足音にこのままでは捕まってしまうと焦りが込み上げたその時だった。
住宅街から辺りは林に移り変わった草陰から白い手が伸びてきてそちらに引き摺り込まれた。
「だっ…!」
誰!?と聞く前に後ろから口元を塞がれた。しかし、微かな骨の匂いに後ろを見なくとも正体が分かった。
「おい、人間は見つかったか?」
「いや、見失った!」
「まだ近くにいるはずだ。探せ!!」
モンスターたちの足音が去っていくと口元に置かれていた手が離れた。振り返れば、やはりそこにはサンズの姿があった。
「ありがとう、サンズ!本当に捕まっちゃうかと思ったよ」
草陰から出て服を軽く払う。サンズも後に続くように出てきた。
「王宮に行ってどうだった?アズゴアさんと話出来た?」
しかし、サンズは答えずに黙っている。それどころか先程から顔を俯かせて何処か様子がおかしい。
「サンズ?」
彼の方へ手を伸ばした。だが、パシッと弾かれたのだ。沈黙が流れた後、ゆらりと顔を上げたサンズは不気味に笑っていた。
「アンタのこと殺さないといけなくなった」
「……え?」
理解が及ばず固まっているとサンズはキラリと片目を青く光らせて背後に円を描くように骨を出現させた。
「hey。逃げなくていいのかい?お嬢ちゃん」
「〜ッ!?」
訳も分からずサンズから背を向けて走った。すると、ドスドスと後ろから骨が地面に突き刺さっていく音がする。
本気で殺しにかかってきているのだ。
Aの頭の中は混乱していた。味方だったはずのサンズが突然、問答無用で襲ってきたのだ。
なんで、どうして!?と疑問を吐き出すが、相手は答えることはなく攻撃をし続ける。
「(アンタは生きるべきだ。殺されることを簡単に受け入れるな)」
そう言ってくれたのは確かにサンズだった。生きることを諦めた私に言ってくれたはずだ。それなのに…ッ…!
「〜ッサンズ!!私はこの世界で生きたいよ!!!」
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レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(`;ω;´)作者さん神様かな?そうだね。次回作にも期待です(´;ω;`) (2023年2月26日 18時) (レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます!原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました!そこを褒めて下さって嬉しく思います!他作品も読んでくれるんですか!?本当に喜びで胸がいっぱいです!最後までありがとうございました! (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね!元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました!主様の他の作品も読んでみることにします! (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます!濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です!それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです!くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません?面白すぎです!!!最初はやっぱり恋愛かな?と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした!次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです!出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2022年8月12日 0時