「最高の嫌がらせ」を生涯に刻む【Undertale】

１７話・中途半端は許されない ページ18

今までにないほどの怒声がアズゴアから放たれた。

Sansは思わず足を止めて振り返った。アズゴアは怒っているのではない。誰よりも辛そうに顔を歪めていたのだ。


「キミは一体何を考えているだ？」

「何って…それは…」

「地底に閉じ込められたモンスターがどんな思いで今まで過ごしてきたか分かっているのかい？人間に虐げられた者も家族を殺された者もいる。キミは彼らから話を聞いて事情を知っているだろう。それも同族として、友人として、仲間として…」

「…」

「そんな彼らの希望がバリアの破壊だ。人間の魂を7つ奪い取り、地上の暮らしを取り戻す」


アズゴアは胸元に手を当ててグッと拳を作った。その表情は決意に満ちていた。


「やっとここまできたんだ。5つの魂が手に入った。今までの人間の子どもたちには申し訳ないと思っているよ。けど、今更となってあの子だけを特別扱いするのかい？今までの子たちの犠牲はどうなる。そう、Sans。キミが通報した5番目の子の魂だって…」

「！」

「キミがしている行為はどちらも侮辱してるんだよ。モンスター側は勿論、今まで魂を捧げられた人間の子ども達に対しても」


その場しのぎの正義感で動く問題ではないのだ。中途半端に人間とモンスターの間の立場をとることは許されない。


「もう私たちは引き返せないところまで来てしまった。他の方法を模索することも生憎、考えに入れていない」


Sansの思考はとっくに見透かされていた。その上でアズゴアは選択を迫った。


「これらの話を聞いた上で決めて欲しい。キミはどうしたい。人間を助けるのかい？それとも見張り役としての責任を果たすのかい？この場で決めてくれ」


ダラダラと冷や汗が伝った。呼吸が途端にしにくくなった。その場にうずくまりたくなった。

痛いほどの周りのモンスターたちの視線にもアズゴアの鋭い目つきにも脳裏に浮かぶ…あの子とAの笑顔にも。

苦しかった。辛かった。投げ出したくなった。それでも、これ以上無責任なことは出来ない。

選択をしなければならない時は来てしまったのだ。


「オイラは……オレはッ…！！！」


最終的に導き出したSansの答えは＿＿＿＿＿＿＿

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