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13話・汚名返上 ページ14

アズゴア王はAに向かって「せめて最後の願いを聞いてやる」といった。

親友のためにここまできた。しかし、親友と生きて会うことは叶わなかった。目標を失ったのだ。

何より…モンスターたちを信じていたのに裏切られた。そんな相手に願いを告げろというのか。

既に死んでいる親友を必至に探し回っている私は滑稽だったか?内心その姿を嘲笑っていたんじゃないか?それとも罪悪感から言い出せずにいたのか?どちらにしろ…


「信じなければよかった」


ポツリと呟いた言葉は周りには聞こえず、Aは一粒を涙を零した。

モンスターたちが私利私欲のために親友を殺したことだけが真実だ。あぁ、もう…なんか…全部どうでもいい。


「殺せ」

「ッ!その前に最後の願いを……」

「じゃあ親友を蘇らせて!返して!!!私の大切な人を返してよ!!!」

「…」

「無理だよね?叶えられこっないよね?じゃあ、さっさと殺せばいい。それが本来の目的なんでしょ!ほら、逃げも隠れもしない…早く親友の元に連れてって!!!」


怒りと悲しみの全てを込めて叫んだAに周りのモンスターはたじろいた。

その中でアズゴアは歯を食いしばった。今更、自分の信念を曲げるわけには行かないと。Aを遠巻きに見る周りから一歩踏み出して大きな赤い槍を出現させた。


「ッ必ずキミの魂を無駄にはしない」


一思いにAの心臓目掛けて突き刺そうとした。だが、その前に現れた者にアズゴアは手を止めた。


「Sans…なぜ邪魔をするんだ」

「ちょいと待ってくれないか。アズゴア王。そんな辛そうな顔しながら殺すなんて見てられないぜ。アンタばかり負担をかけさせて申し訳なくなる。オイラが何とかするよ」


サンズは座り込んでいたAを立ち上がらせては横抱きにし、その場を去ろうとした。

当然、周りのモンスターが引き止めようとする中でサンズは告げた。


「この子に伝えないといけないことがあるんだ。悔いが残らず…旅立てるように」


ここで済ませればいいだろ!と言う声に「誰にも聞かれたくない内容だ」と足を進める。それでもしつこく引き止めてくるモンスターたちにサンズは叫んだ。


「オイラが代わりにAを殺すっていってんだ!!」

「「!?」」

「そもそもオイラがちゃんと見張り役をしなかったからこうなっている。その責任は取る。それで文句はないだろ」


唖然とする周りを置いてけぼりにサンズはAを抱えて姿を消した。

14話・大切な親友→←12話・罪の肩代わり



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レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(`;ω;´)作者さん神様かな?そうだね。次回作にも期待です(´;ω;`) (2023年2月26日 18時) (レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます!原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました!そこを褒めて下さって嬉しく思います!他作品も読んでくれるんですか!?本当に喜びで胸がいっぱいです!最後までありがとうございました! (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね!元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました!主様の他の作品も読んでみることにします! (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます!濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です!それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです!くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません?面白すぎです!!!最初はやっぱり恋愛かな?と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした!次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです!出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます! (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Omiso | 作成日時:2022年8月12日 0時

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