１話・親友を追いかけて ページ2
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イビト山。
かつて人間がその地底にモンスターを閉じ込めた場所である。そこである子どもが行方不明となっていた。
それは噂となり、親に捨てられただの虫取りに出掛けて地底へ落ちたのだの様々な仮説が数年に渡って囁かれた。
その噂を聞きつけた少女…Aはその子どもを追いかけてイビト山へ向かった。
生い茂る草をかき分けて、ゴツゴツとした急な地面を小さな足で登っていき、辿り着いた場所は大きな穴だった。
底が見えない穴を見下ろすAは怯えることはなかった。何故なら落ちていった子ども…親友を助けるために恐怖よりも「勇気」が勝ったのだ。
足を一歩踏み出して真っ逆さまに落ちていった。
地底へと着くまで自然と気絶していた。しかし、ドサリと体が地面に叩きつけられて足がボキリと折れた音にすぐに目が覚めた。
「い゛っ」
痛い！と叫びそうになるのをグッと堪えた。ここの世界は地上と違う。モンスターが彷徨っているのだ。
それらがどんなものか分からない。声を押し殺して治療をしようと足に手を伸ばした。
しかし、こちらへ駆けつける足音が聞こえて顔を上げれば、口元を手で抑える山羊の容姿をしたモンスターが立っていた。
「ッ！大変、怪我をしているのね！」
焦った声色でモフモフの大きな手を伸ばしてきて咄嗟にその手を弾いた。
「触らないで！！！」
得体の知れないものに警戒心を募らせた。息を荒くして相手を睨みつける。
そんなAに対してモンスターは優しげに笑って両手を伸ばして抱きしめた。
「怖がらなくても大丈夫よ。私は貴方の味方です」
落ち着くまで何度も何度も背中をさすった。その善意にAは高めていた警戒心が緩んだ。
こんなに優しくされること自体"初めて"だったのだ。
また、まだ子どもであるAは心の奥底では不安だらけだった。その真意から静かに相手の体を預けた。
そんなAにモンスターはホッと胸を撫で下ろした。
「私はトリエル。この遺跡の管理人です。毎日見回って落ちてきた子どもがいないか確認しているの」
その言葉にAの頭には真っ先に親友の姿がよぎった。
数年前に落ちた親友をトリエルが見つけているかもしれないと。そのことを聞こうとしたが、口をつぐんだ。
まだ完全に信用していない相手に自分の目的を伝えるのは危険かも知れない。
そんなAの心情を知らずにトリエルは「怪我の治療をしなくちゃね」とAを自らの家へと運んだ。
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レイさん - 最後まで読みました。まじで泣きましたね))))号泣です(｀；ω；´)作者さん神様かな？そうだね。次回作にも期待です(´；ω；｀) (2023年2月26日 18時) (
レス) @page28 id: fadc276a96 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» コメントありがとうございます！原作がとても素敵なのでその設定を存分に活かした物語を書きたいと意識していました！そこを褒めて下さって嬉しく思います！他作品も読んでくれるんですか！？本当に喜びで胸がいっぱいです！最後までありがとうございました！ (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - なんというか……お話しの入れ方が本当に神ですね！元々ある設定を活かしつつ、夢主とかのキャラを入れていくのがめっちゃ凄いと思いました！主様の他の作品も読んでみることにします！ (2022年12月19日 16時) (レス) @page29 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - アレンシスさん» コメントありがとうございます！濃い友情物語に付き合ってくださって感謝です！それも最高だと言ってくださり本当に嬉しいです！くどくない恋愛…私に書けるでしょうか(笑)ですが、あっさりした恋愛も書いてみたい思いはあるので機会があればよろしくお願いします！ (2022年8月23日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 本当に最高すぎません？面白すぎです！！！最初はやっぱり恋愛かな？と思っていましたがやっぱり予想を遥かに上回った友情で文句なんてないぐらい最高でした！次回作があれば今度こそ恋愛書いて欲しいです！出来れば余りくどくないやつを、、楽しみにしてます！ (2022年8月23日 20時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2022年8月12日 0時
