7話 ページ8
母に言われてあれから公園には寄らなくなった。
学校帰りにいつも顔を出していたけれどすぐに帰ってくるようにしなきゃ会っているとバレてしまうから。
今日も公園の前を通り過ぎる。入り口からできる離れて中が見えないように。きっとサンズがいたら足を止めてしまうから。
だけど、地面を歩いていた足が突然、宙に浮かんだ。
「えっ…え！？」
手足をばたつかせるものを体は言うことを聞かなくて公園の中へ吸い込まれていきフワリとベンチに座った。
そして、その隣には久しく見る青いパーカーを着たスケルトンの姿。
「よぉ、ちびっこ。久しぶりだな」
「サンズ…」
サンズの仕業だったのか。目を合わせるとニィと口角を上げて笑っているが、声はどことなく低かった。
「こんな強引な形で連れてきて悪いと思ってる。けどなぁ、理由もなしに避けられちゃあ気になるだろ？で、なんでオイラのことを避けるんだ？」
グイッと迫る顔にウッと息が詰まる。
どんなに誤魔化しても仕方がない。ポツリポツリと母に言われたことそのまま話した。すると、サンズは頭をポリポリと掻いては私から目を逸らした。
「なるほどな…まぁ、親から言われちゃ仕方がないよな。heh。教えてくれてありがとな。納得したよ。んじゃまぁー…オイラはもうお前さんと会わない方がいいか」
食いつきもせずあっさり引き下がるサンズに拍子抜けした。それと同時にサンズにとっては「私との関係はそんなものだったのか」と心がズキリと痛んだ。
「それじゃあな、もうお前さんと会うことはないだろうよ」
「なっ…」
ひらりと片手を上げて歩き出す背中。
全然振り返る様子もない。冗談でもなさそうだ。
なんでそう簡単に諦めちゃうの？
確かに避け始めたのは私から。だけど、それを引き止めてほしいと願ってしまうのが人間という勝手な生き物だ。
その思いが徐々に悲しみから怒りへと変わって
「〜ッサンズのばかたれーーーー！！！」
ギュッと拳を握りしめて怒りをぶつけるようにその背中に突進した。
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リリィ・スノー(プロフ) - すごくいい作品でした。シナリオ、終わり方など、感動してしまいました。この作品に出会えてよかったです。とっても私の好みにどストライクで… (2023年3月18日 10時) (
レス) @page34 id: 24a11843b1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» P様さん！こちらの作品も読んで下さりありがとうございます！貴方様に感動を与えることが出来て嬉しく思います！イラストまで褒めていただいて…作者は幸せ者です😭最後までありがとうございました！ (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - 読み終わりました！！泣きました！！最高です！小説もそうなのですが、イラストも大好きです！ (2022年12月19日 16時) (レス) @page34 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ユンユンさん» コメントありがとうございます！最高だなんて…素敵な褒め言葉をいただいて嬉しいです！また、すれ違いシチュエーションは本当に美味しいですよね！(？)私も大好物です！貴方様を楽しませられて本当によかったです！ありがとうございました！ (2022年12月19日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ユンユン(プロフ) - 一言言わせていただきます。最高です！！！私も時々喧嘩とかすれ違いのシチュエーションを考えるんですが、もうこの作品は私の大好きストーリードスレートでした！そして泣きました！これからも応援してます！ (2022年12月18日 22時) (レス) @page34 id: 34d5562353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2021年12月5日 0時
