18話「新たな幕開け」 ページ19
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今思い返せばサンズはあの時、何か言いたげだった。
けれど、大事な友達を傷つけようとしていた事実には変わりないから許せなかったんだ。
それから私は、モンスターと関わることをやめた。
公園にも行かなくなった。モンスターを友達だと思うこともやめた。縁は断ち切れたんだ。
すると、あの可愛らしい転校生とは親友と言えるほどに仲良くなって、他のクラスメイトも私がモンスターと関わっていないと分かれば何事もなく笑顔で話しかけてきた。
いつもの日常に戻った。平和だった。
そうやって時が着実に経っていった。
季節は移り変わって、雨が降る梅雨になり、暑く照りつける夏になり、少し肌寒い秋になり、雪が降る冬となる。
だけど、どんなに時でも通学時に見えるあの公園のベンチにはスケルトンがいた。
毎日、私を待っているようにそこにいたんだ。
それでも無視続けた。学年が上がって中学生になっても。思春期を超えて高校生になってもずっと。そう、ずっと。
通学路の公園にいる大事だった友達を無視し続けた。
それと同時に時が経つに連れて世の中は、人間とモンスターとの対立が激化していった。
＿＿＿＿＿＿＿＿
「いやね、モンスターなんて忌々しい」
母がテレビを見ながらそう告げた。
朝食をとっていると流れてきたニュース。モンスターたちが迫害を受けている姿。人間に暴力を振るったモンスターへの罰としての見せしめみたいなものだ。
しかし、モンスターが人間に暴力を振るったという証拠はどこにも記載されていない。実際は人間の一方的な暴力なんだろう。そのことに関して皆黙っている。
大人に近づくに連れて知っていく真実。
偏見が凝り固まった人間の世界にはモンスターは適さないのだ。
「ハハッ。そうだね。モンスターなんて…最低だよ」
私があのスケルトンを突き放した行動は間違ってなかったんだ。私は人間側だからそのルールに従わなければ、こっちが被害を受けるだけ。
そのことを当時転校生だった親友は、私にそう教えて救ってくれた。その子だけが本当の友達に違いない。
「お母さん、行ってきます！」
朝食を食べ終えて、スクールバックを手に取って玄関へ向かう。ローファーを履いて、身なりを整えた。
「いってらっしゃい！モンスターに気をつけるのよ」
その母の言葉に返事をしては扉を開けた。眩しい太陽の光と青空に目を細める。
さぁ、今日もいつも通りの生活が始まる。
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リリィ・スノー(プロフ) - すごくいい作品でした。シナリオ、終わり方など、感動してしまいました。この作品に出会えてよかったです。とっても私の好みにどストライクで… (2023年3月18日 10時) (
レス) @page34 id: 24a11843b1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - P様さんさん» P様さん！こちらの作品も読んで下さりありがとうございます！貴方様に感動を与えることが出来て嬉しく思います！イラストまで褒めていただいて…作者は幸せ者です😭最後までありがとうございました！ (2022年12月19日 17時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - 読み終わりました！！泣きました！！最高です！小説もそうなのですが、イラストも大好きです！ (2022年12月19日 16時) (レス) @page34 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ユンユンさん» コメントありがとうございます！最高だなんて…素敵な褒め言葉をいただいて嬉しいです！また、すれ違いシチュエーションは本当に美味しいですよね！(？)私も大好物です！貴方様を楽しませられて本当によかったです！ありがとうございました！ (2022年12月19日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ユンユン(プロフ) - 一言言わせていただきます。最高です！！！私も時々喧嘩とかすれ違いのシチュエーションを考えるんですが、もうこの作品は私の大好きストーリードスレートでした！そして泣きました！これからも応援してます！ (2022年12月18日 22時) (レス) @page34 id: 34d5562353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2021年12月5日 0時
