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1話・因縁の始まり ページ1

ポツリと真っ白な世界に取り残された一軒家。

辺りは雪が降り積り、未だに空から降り続ける雪を一軒家の中でガラス張りの窓から少女は眺めていた。

他の住宅地も店舗も何もない。辺鄙なこの場所で少女を含めた三人家族が静かに暮らしていた。

いつものように父はテレビを見て母はソファで眠る。退屈だと思わせる日々だが、幸せだと子どもながらに少女は思っていた。

ふぁーと欠伸をし、眠くなってきた目を擦って窓から離れようとした時だった。


ガラス張りの遠い向こう側に人影が現れた。


こんな場所に人がいるのは珍しいと思い目を凝らす。だが、徐々に吹雪いてくる雪に姿が見えなくなった。


「マあー、お外に誰かいたぁー」


舌足らずでそう告げるものの深い眠りにつく母親は起きず、父は「気のせいだろう」と一言で済ます。

相手にされていないと不満に思った少女はもう一度、窓の方を見て確認しようとした。


すると、ソレは目の前にいた。


吹雪く中で窓の向こう側で棒立ちしてフードを深く被った謎の男が。

そして片手には『サブマシンガン』が握られていた。


「ぇ…?」


少女は、瞬時に映画でよく見る人を殺すための道具だと認識した。

たちまち体は硬直して呆然とその男を見上げる。すると、男はフードをバサリと取った。

フワリと白い景色に不釣合いのピンクの長髪が靡き、片目から涙をこぼすペイントが施されたピエロの仮面が現れた。

気味が悪い光景に叫びそうになる少女にピエロの男は目線を合わせしゃがみ「Shhhh」と口元に指を置く。

そして、上を指して「二階へ行け」とくいくいと動かしジェスチャーで促した。

逆らえばどうなるか分からないと黒く光る銃を見ながらただわけも分からず少女は二階へ駆け上がった。

その直後だった。


ドドドドドドドドッッッ!!!!


窓ガラスが割れる音と銃撃する音が鳴り響き、母親の耳をつんざくような悲鳴と父親の怒声が聞こえた。

だけど、その声はすぐに途絶えてカランカランッと銃弾が落ちる音が家の中に響く。


「ハヒュ…ッ…ままぁ…ぱぱ…ッ…」


息が詰まりながらも愛する両親を呼んでも返事はない。代わりにカツン!と階段を上がる音が聞こえて、


死へのカウントダウンが始まった。

2話→



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Omiso(プロフ) - 十六夜夏希さん» コメントありがとうございます!好きだと言っていただけてとても嬉しく思います!また、書き終わってしばらく経った今でもこうしてコメントを頂けること幸せです!本当に最後まで読んで頂きありがとうございました! (2022年4月30日 14時) (レス) @page38 id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - マイキーが春千夜を見放す(?)のって珍しいですね!言葉では表せないくらい好きです。お疲れ様でした!! (2022年4月30日 13時) (レス) @page39 id: cc6ab814ba (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ゆゑるさん» コメントありがとうございます!わわっ!たくさん褒めていただいてとても嬉しいです😊何より貴方様を楽しませられたことが作者にとって一番の幸せです😭本当に最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年4月12日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゑる(プロフ) - うわぁぁぁ!!今読み終わったんですけど、最高ですっ...!作者様の表現の仕方からもう素敵でした😭めちゃくちゃ面白かったです!!!!! (2022年4月12日 1時) (レス) @page39 id: 1d05848943 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - yumuiさん» コメントありがとうございます!隠れ主人公!確かにそういった捉え方もありますね…貴方様の発想に驚かされました。作り手としてしっくりときたお言葉をいただいて嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年3月7日 16時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Omiso | 作成日時:2021年10月16日 17時

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