13話「大人への一歩を踏み出す」 ページ14
チャンピオンの責務の全うすると決めれば、その後の流れは早い。
半年経てば諦めへ。一年経てば慣れへ。三年経てば「新チャンピオン」から「チャンピオン」へ。
そして、現在。
チャンピオンの座を掴み取って五年という月日が流れて成人を迎える。
相変わらずのスケジュールの多忙さに苦労は絶えない。そんな中でピロン！となったスマホロトム。確認するとキバナさんからだ。
「(今度飯でもどうよ。たまには息抜きも必要だろ)」
キバナさんは相変わらず私を気に掛けてくれる。「勿論いいですよ」と答えたいところだが、頭に浮かぶのはダンデさんの姿。まず彼から許可を取らないと。
「考えさせて下さいっと…送信」
誘われる毎に使っているその返事をすると、すぐに既読がついてキバナさん本人がキャラクターとなっているスタンプが送られてきた。
フンッと拗ねているイラストにクスリと笑う。だけどその後にピコンとなった通知。キバナさんじゃない。
「ダンデさん…か」
そこには仕事のスケジュールと共に
「成人パーティ？」
内容は私が成人することで盛大なパーティーを開くそうだ。大手企業の社長からスポンサーの方々まで多くのゲストが招かれるらしい。
嬉しいなんて感情はない。祝いの場でも仕事の顔をしなければならないのだから。
それに、彼らは私自身を祝おうとしているわけではない。「チャンピオン」としての私を祝いたいだけだ。
「…めんどくさいな」
ポツリと呟いたその言葉は誰にも拾われない。「詳しいことは直接話そう」と追記で送られてきたダンデさんからのメールを見ては彼が運営するバトルタワーへ向かった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ここ数年で伸びた髪をいじりながら目の前のドアをノックする。
「入ってくれ」という言葉に開けばガラス張りから見える街を背景にデスクの椅子に座るダンデさんの姿。
こちらに瞳が向いて私だと分かった途端に表情がパァと明るくなり、席から立ち上がった。
「Aくん！よく来てくれたな。メールは見てくれたかい？君のために最高の場を用意するつもりだ。その後はオレ個人で君を祝わせてくれ。それで…」
と話し続ける彼に肩を抱かれながら客席用のソファへとエスコートされてテキパキとお茶を出される。
そこまでしなくてもと思うが、それをいえばダンデさんは首を横に振り、
「君は歴代最高のチャンピオンなんだからな」
こちらが気まずくなるのも知らないでニカリとした笑顔で告げるのだ。
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Omiso(プロフ) - 天音さん» コメントありがとうございます！キバナさんだけでなく、夢主まで褒めていただいてすっごく嬉しいです！それに神作だなんて…本当に勿体無いほどの素敵な褒め言葉に感激です！本当に最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年5月7日 8時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 最高でした…!!✨とても感動しました！キバナさん カッコいい…。夢主も カッコ可愛いい…!!!神作品！！ (2022年5月7日 0時) (レス) @page44 id: c80b266ed1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！キバナのかっこよさにとても力を入れたのでそう言っていただけて嬉しいです！神作品だなんてそんな！私には勿体ないお言葉…感謝の気持ちで胸がいっぱいです！本当に最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年2月5日 0時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 自分ダンデさん推しだったけどこの作品を見てキバナさんもメッチャ好きになりました!!!これはもう神作品としか、言いようがありません!! (2022年2月4日 23時) (レス) id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - きいさん» コメントありがとうございます！貴方様のお言葉にホッとしました。この作品を書いてよかったです！最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2021年8月10日 1時
