27話 ページ28
「Aくん…「手を離してください」
怯むつもりはなかった。ここで下がればおしまいだと思ったから。だけど、ダンデさんも同じようで私が反抗的と分かればそこに優しさはなかった。
「いいや、離さない。自分が何を言ったのか分かっているのか？チャンピオンを引退する？それは多大な迷惑がかかることだ」
「それは、分かっていま…「分かっていない。君の支えてきたファンはどうなる。君を追いかけて挑んできたチャレンジャーたちの行き場のない思いは？多くのスポンサーが今も君を支持して今後の計画も山ほどある。それを全部をぶち壊してまで君は自由を手に入れたいのか？あまりにも身勝手だ」
「…ッ」
いざこう言われると何も言えない。反論もできない。
そんな私にダンデさんの張り詰めていた空気が少し揺らいでフッと優しく笑う。
「分かってくれたかい？皆が君を必要としているんだ。もちろんこのオレも…ガラル地方の英雄としてずっとこの地にとどまってくれ」
両手に肩を置かれて頷けと言わんばかりの圧力。これにいつも負けていた。
でも今回は違う。何も言われても私は絶対に…ッ…！
「〜ッいいえ！私は決めたんです！何を言われようとチャンピオンの座を降りさせていただきます！！！」
掴まれていた手を振り払いダンデさんの横を通り過ぎる。
これからやることは沢山ある。それをこなして正式にここを出ていくのだ。この決意は揺るがない。
「…ハハッ…あ゛ぁー。そうか…そうなんだな…ッ」
後ろで聞こえるその声。納得してくれただろうか…
そのまま出口の扉へと足をすすめてドアノブに手をかけたとき、後ろから大きな影が差した。
振り向けばそこには表情が抜け落ちたダンデさんがいて…
「君を逃さない。このガラル、俺の街から永遠に」
瞳孔が開いた金色の瞳は真っ直ぐに私を捉える。そして、顔を覆うほどの大きな手が近づいてきた。
＿＿＿逃げられない。そう、一瞬で悟ってしまった。
咄嗟に触れた自身の一つのモンスターボール。
しかし、その感覚を最後に視界が真っ暗になってブチリと電源が落ちたように意識を失った。
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Omiso(プロフ) - 天音さん» コメントありがとうございます！キバナさんだけでなく、夢主まで褒めていただいてすっごく嬉しいです！それに神作だなんて…本当に勿体無いほどの素敵な褒め言葉に感激です！本当に最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年5月7日 8時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 最高でした…!!✨とても感動しました！キバナさん カッコいい…。夢主も カッコ可愛いい…!!!神作品！！ (2022年5月7日 0時) (レス) @page44 id: c80b266ed1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！キバナのかっこよさにとても力を入れたのでそう言っていただけて嬉しいです！神作品だなんてそんな！私には勿体ないお言葉…感謝の気持ちで胸がいっぱいです！本当に最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年2月5日 0時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 自分ダンデさん推しだったけどこの作品を見てキバナさんもメッチャ好きになりました!!!これはもう神作品としか、言いようがありません!! (2022年2月4日 23時) (レス) id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - きいさん» コメントありがとうございます！貴方様のお言葉にホッとしました。この作品を書いてよかったです！最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2021年8月10日 1時
