気づいた時にはもう遅いから【呪術廻戦】

6話 ページ6

貴方サイド


夏油先輩に五条先輩への好意がバレるとは思っていなかった。

だけど、この抱える想いを少しでも共有できる人、そして、もしかしたら五条先輩への恋心を叶えてくれるチャンスになるかもしれないと思えば

逆にばれたのが夏油先輩でよかったと思う。

それにさっき教室を出て行く夏油先輩になんでここまで私に協力をしてくれるのかと聞いたら


「(Aちゃんの力になれるならなんだってするよ。先輩として当然だろ？)」


優しく微笑む姿に私の中の夏油先輩への見方が変わった。

元々悪い人ではないとは思っていた。いつも五条先輩が私のところへ来れば夏油先輩も来てちょっかいをかける五条先輩を止めてくれたり何かと気を使ってくれていたからだ。

それが逆に余計なお節介だなんて思っていたけど…だからこそ、こうして協力してくれるなんて思っていなかった。

「悟はやめといた方がいい」とか言われるかなって…でも否定するどころか協力してくれた。それならもっと早く夏油先輩に相談しとけばよかったな。

そう思いながら、明日への新たな恋の進展への期待に早くも心を躍らせていた。


のだが、まぁ次の日にそんな簡単に進展するわけでもなくいつもと同じように気紛れで五条先輩に絡まれてそのまま放課後を迎えた。

ちょっぴり期待しすぎたかなとがっくしと肩を落とし机に顔を伏せているとガラガラと開く教室の扉の音。


「Aちゃん、待たせたかな」

「…ぁ、いえ。大丈夫ですよ」


一瞬五条先輩が来たのかと思った。だけど、そうだ。今日からは放課後は夏油先輩と話すんだった。

でもいつも五条先輩は決まってここに来ていたのにどこに行っているんだろう。

そう疑問に思っているとその考えを汲み取るように夏油先輩が


「悟なら任務に行ってるよ。夜蛾学長に悟が放課後暇してると告げ口してね。本人がいたら困るだろう？」


なかなか酷なやり方で…なんだか申し訳ないと思うと同時に寂しく感じた。

でもこれは恋の相談のためであって夏油先輩がここまでしてくれたんだ。わがままなんていってられない。


「お手数おかけしてすいません」

「いいんだよ。全て自分のためでもあるんだから」


？自分のため…とは私のことを指しているのだろうか。ありがとうございます と伝えれば、ニコリと笑っては私の隣の席に腰かけて


「さ、Aちゃんへ一つ目のアドバイスをしよう」

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