27話 ページ27
最愛の人を見つけて幸せになるのを約束する?
「そんなことを約束してどうするんですか?何のために?」
「いいから約束してくれ。私は君にいい人が見つかることを願っているんだよ?」
「は、はぁ…ありがとうございます?私を好いてくれる人がいるといいですけど」
「きっといるさ。さ、約束に指切りしよう」
そう言って小指を出す夏油先輩に首を傾げながらも指と指を絡ませる。
ゆびきりげんまん と歌い始める夏油先輩がらしくなくて笑ってしまう。だけど、終始夏油先輩は真剣だった。そこがまた面白いなんて。
指切った と指が離れたとき、肩に少しながら重りを感じた。この感覚はもしかして…
「なにか私に呪霊つけました?」
「あぁ。君にそういう人ができたら私に伝えてくれる呪霊をね」
「え゛そこまでします?てか夏油先輩がそれ知ってどうするんですか」
「それは…もちろん祝いに行くさ。楽しみにしてて」
それはそれで怖いんですけど。というか呪霊使ってまでわざわざそこまでしなくてもよくない?
若干指切りをしたことに後悔しているとドコンッ!!!と上から何か落ちてきて着地する音。
そして、舞う砂埃の中からゆらゆらと揺れ動く影。
…あれ、絶対ブチギレ五条先輩だよ。夏油先輩どうするつもりなんだろ。
「はやいなぁ、少々の悪ふざけでここまで怒るとは。悟も怖いね」
少々どころじゃなかったけどね。五条先輩を壁にめり込ませた時点で。というか、この喧嘩に巻き込まれたら私確実死ぬんだけど?!
「A、今すぐここから離れるよう全力で走ってね」
「無茶振りすぎません?言われなくとも走りますけど!!!」
それでは夏油先輩ご無事で!と伝えればニコリと微笑んで
「あの指切りの約束、二人だけの秘密だからね。他の人に教えちゃダメだよ」
最後にそう告げて砂埃の中へと歩いていった。
__________
後ろでドゴン!!!バゴン!!!と地が揺れるような音をBGMにひたすら走り、命からがら高専へ無事に着いた。
そして、そのあとはすぐに部屋に閉じこもって寝た。
え?教師へ喧嘩の報告?そんなの知らん。疲れたんだよ!
そのまま爆睡をかまして、いつのまにか次の日の朝を迎えてきた。
やっべ、さすがに寝過ぎた! と起き上がったのと同時にバンッ!と勢いよく開く部屋の扉。
「…おい、高専やめる手続き行くぞ」
そこには、所々怪我の処置が目立つ五条先輩の姿があった。
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時