22話 ページ22
貴方サイド
命からがら任務を終えて高専に戻ると何故か門の前には五条先輩が立っていた。
そして、私たちに気づいた途端こちらに詰め寄ってくれば
「お前ら何考えてんだよ!!特に傑、呪力のないコイツを連れていくなんてどんなに危険だったか分かってんのか!?」
「…」
怒っていた。もの凄く怒っている。だけど、夏油先輩の頭の傷に気づけば舌打ちをし
「先に硝子にその傷治してもらえ。話はその後だ」
「あぁ、分かった。そうさせてもらうよ」
「!夏油先輩、保健室までついて行きます」
怪我をさせたのは私の責任だ。
そのままついていこうとすると、グイッと引っ張られる手首。
「お前はこっちな」
掴んだのはいうまでもなく五条先輩。
「いや…でも…「お前がついていったって変わらねぇーよ。大人しく俺についてこい」
言い方はあれだけど確かに五条先輩のいうとおりだ。きっと治療の邪魔になるだけ。
ズンズン進む五条先輩に引きずられながら すいません と夏油先輩の方に軽く頭を下げる。
すると、気にしないでくれ と口パクをして手を振り微笑んでくれた。
な、なんて優しいんだ。しかもサラッと笑顔を浮かべるところ素敵です。ぐふふと頬を緩ませていると
「いつまであいつのほう見てんだよ」
スパン!と爽快な音が聞こえるくらいの勢いで頭を五条先輩に叩かれた。
「あ゛っだ!え?任務帰りの人にそんな当たり方あります?私のこと心配してくれたんじゃなかったんですか?!」
「どうせお前何もしてねぇーだろ」
ぐぅの音もでない。けど、そこは気遣ってくれてもいいんじゃない?!
背だけ無駄にデカくて心は狭い と先輩の背中を軽く睨もうとしたら突然止まられ、その勢いでブッと鼻がぶつかる。
ッかっった!どんだけ鍛えてるんだよ。鼻血出るわ。
くそ、文句いってやる!と顔を上げるのと同時に振り返る端正な顔。
そして、サングラス越しの青い瞳とバチリと目が合った。その瞳は静かにジッとこちらを見つめていて…
「けど…心配したのは本当だ。呪力もねぇーお前が任務に行って生きて帰れる保証なんてどこにもなかったから」
任務に行ったって聞いてヒヤリとした とポツリとこぼし、おちゃらけたいつもの姿はどこにもない。
眉を下げて、ただ不安そうに瞳を揺らす見慣れない先輩に息が詰まる。
「A…ッ…」
絞り出すような声で私の名前を呼んで、ゆっくりと大きな手が頬に近付き、先輩の温もりが触れた。
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時