3話 ページ3
優しく抱き締めてくれる夏油先輩ときめくということはなかった。まず、嬉しさより驚きが勝った。
だって今までにおいて夏油先輩が私を庇ってくれたことなんてなかった。
なんならいつも五条先輩に虐められてる私をみて(笑)的な感じで微笑んでいたからね。一番タチ悪いよ、ほっんと。
まぁ、その微笑みが美し過ぎて怒る気も起きず、その顔に興奮してた…のは冗談です。
そんな感じで今回も軽く私を心配した風に装いながらも五条先輩の味方かと思ってたのに…
モゾっと顔を動かし、下から夏油先輩の方を見上げればゆるりと口角を上げ、ヨシヨシと撫でてくれる。
?!え゛夏油先輩。まじで何か悪いものでも食べた?
「どうしたのかな。そんな眉を寄せて。私の顔に何かついてるかい?」
いや、端正な顔面がついてる以外ないけれど。強いていうならその何考えているか分からない行動が怖いです。
ここ数日前までそんな様子なかったのに。何があったんだ?それともこれは幻か?
「おい傑、ほんと大丈夫か?頭打ったか?」
うん、これに関しては五条先輩に同意。
「いや?頭を打つ機会なんてなかったが…私が今とってる行動がどこかおかしいとでも?」
はい。失礼を承知でかなり頭がおかしくなっていると心の中で伝えてみる。
ほら、五条先輩の顔を見てご覧なさい。正気か?的な感じで顔が歪みに歪んでドン引きしているし。
…ハッ、もしかして夏油先輩熱があるんじゃないか?いや、そうに違いない!!!
「夏油先輩、とりあえず落ち着きましょう。私を心配するどころか味方になるなんて熱が83.6度以上あるに違いありません」
「…絶妙な数字だね。そんなあれば私はとっくに死んでいるよ。それより君は自己肯定感が低すぎる。私は本当にAのことが心配なんだ。君が思っている以上に。分かってくれるかい?」
「…ん?」
「ん?」
「よし、分かりました!夏油先輩、今すぐに部屋に戻って寝てください」
結論、今日の夏油先輩はやはり熱があるということらしい。
「…」
目を点にしこちらを見下ろす夏油先輩にとりあえずグッと親指を立てると、突然フハッと笑い出しては、
「ほんとッ…フフ…君はお馬鹿さんだね」
キラキラスマイルと共に突然罵倒されました。
え、普通にひどくない?
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時