17話 ページ17
「もしかしてA、私に嘘をついているんじゃないか?」
「え゛」
あからさまに反応してしまった自分は悪くない。何で突然そんなこと言い出すんだ。
「君は確かそのリンゴジュース。前に自分で買わないといって悟にからかわれていたね?」
…確かに数週間前ぐらいに自動販売機で買うの渋っていたところを五条先輩に見つかり、さっさと買えよと促されて高いから買えないと言えば馬鹿にされた。
その隣に夏油先輩もいたのはいたけど貴方、携帯いじって興味なさそうにしてたじゃない!それなのによく覚えていますね?!
「いやー、アハハ…そうでしたっけ?」
「残念ながらそうなんだ。で、先に持っていたそのリンゴジュース。本当は自分で買っていないよね。誰から貰ったんだい?」
「それは…その、えっと…ッちょ、先輩ちかぃ…」
んー?と上から威圧し、ジリジリと詰め寄ってくる夏油先輩にもう降参です。
「ご、五条先輩から貰いました。喧嘩のお詫びにと…嘘ついてすいませんでしたぁぁぁ!!!」
すぐさま額を地面に擦り合わせてスライディング土下座をかます。
「…あの悟が?喧嘩のお詫びに?」
は?と言った感じで低く聞き返す先輩にビクリと肩が跳ねる。
いや、嘘ついてないって。本当に。私もびっくりしたけど五条先輩にも人の心があったってことだ。
故に親友の夏油先輩。怒るより喜びなさい。
とは言えずに黙って土下座を続けているとグイッと腕を掴まれて無理やり立ち上がらされる。
「こら、服が汚れるだろ?そこまでしなくてもいい。そんなことで私は怒らないよ」
え、仏か?と夏油先輩の顔を見るが、いや怒ってるだろこれ。
ニコニコしている笑顔の奥でイラつきが見え隠れしてますよ?ジュースのために嘘ついたことは大罪だ、こりゃあ。
「あ、でも…「もう土下座なんてしないでくれ。君は何も悪いことしてないじゃないか…そう君はね」
じゃあこの状況で私以外誰に怒ってるの?!
「これじゃあお詫びが悟と被って意味がないなぁ。どうしようか」
「被っていても私はいいですけど…」
「いいや、私が良くない」
なんで良くないんだよ。もしかして五条先輩と被ったのがそんなに嫌だったのか?あんな仲良しだったのに実は不仲だったりして。
んー、と悩む先輩だが、しばらくして思いついたように手をポンっとさせて
「そうだ、今度私の任務に付き合ってくれないか?」
あ、やっぱり私が嘘ついたこと大変キレてらっしゃいますね。
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時