8話 ページ9
カリムさんの寮案内が終わった頃には宴の準備は終わっていた。
「寮長!宴の準備できました!」
「よっしゃ!なら宴を始めるとするか!」
ささ、主役は座ってくれ!と大きな広場へ連れてこられれば一番真ん中に座らされる。
そして、目の前には次々と豪華な料理が運ばれてきて明るい音楽が流れ始めた。
こんなこと初めてでどうすればいいかあたふたしていると、
「早く食べないと料理が冷めるぞ」
コトリと私の前に料理を置いて、顔を覗き込んでくるジャミルさん。
「ジャミルさん!…けどこんな豪華な料理私のためにいいんですか?」
「もちろんだ、君のために作ったんだからな。温かいうちに食べてくれ」
そう言ってフッと微笑むジャミルさんに言われるがままそっと手元にあったフォークを取り、目の前に置かれた料理を口に運ぶ。
すると、今まで食べたことのないぐらいに美味しい幸せな味が口の中に広がる。
「ーーッ!!!」
「言葉にならないほど美味しいか?」
その問いかけに勢いよく頷くと少し目を見開いてはフハッと笑い
「ありがとう。そう言われたら作った俺も他の寮生たちも嬉しい限りだ」
そう告げては嬉しそうに頰を緩ませた。
…今日初めて見た気がした。
自然に笑うジャミルさんの笑顔を。
今までが全て作り笑いというわけではなかったけど、こんなにクシャリと自然と笑顔を浮かべるジャミルさんは見たことなくて…
なんだかそのことが無性に嬉しくなって彼の手を取り
「ジャミルさんも一緒に食べましょう!」
私の隣にストンと座らせる。
すると、一瞬驚いたように目を見開き まだ料理が…と困ったような顔をするけれど
「ジャミル!お前も宴楽しまないとな!」
後ろから現れたカリムさんがジャミルさんの肩に手を置きそういえば
「…寮長がそういうなら仕方がない。Aと食事を楽しむか」
仕方がないというように軽くため息をつきながらもどこか楽しそうに笑みをこぼした。
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Omiso(プロフ) - viviさん» コメントありがとうございます!こちらこそ素敵なコメントをいただけてとても嬉しいです!寿命が伸びた!?(笑)貴方様の生きる糧となれたのなら作者にとってこの上ない喜びです😭最後まで読んで下さりありがとうございました! (2022年12月1日 23時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
vivi - もう素晴らしすぎてなんて言ったらいいかわからないんですが、素敵な話を書いてくださってありがとうございます!寿命が延びました・・・ (2022年11月29日 3時) (レス) @page49 id: 812c94a5c4 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - セツナさん» コメントありがとうございます!ジャミル推しちゃいますよね😊わぁ!素敵な作品だと言って下さった上に神作だなんて(照)すっごい嬉しい褒め言葉!本当にありがとうございました! (2022年2月22日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - あ゛あ゛あ゛あ゛!ジャミル推しなのでこんな素敵な作品に出会えて嬉しいです!!神作ですね!? (2022年2月22日 6時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ジャスミンさん» コメントありがとうございます!そういって頂けてとても嬉しいです!是非リクエストに応えたいのですが、今「活動休止中」ということでしばらく小説を作るつもりはないんです…またの機会によろしくお願いします! (2021年9月8日 16時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年6月27日 23時