48話 ページ48
貴方サイド
〜数十年後〜
あの事件、私がヴィラン連合から救い出されてから随分と時が経つ。
今の私は人を救うために個性を使い、医師として病院を立ち上げるほど成長した。
「A先生、今すぐ手術台へ！！患者の様子が！」
「今行くよ！」
目まぐるしい毎日に辛い時もあるけれど不満なことは何一つとしてない。
それに仕事が終われば私には一つの楽しみがある。
手術もおわり、日も暮れ出して来た頃にはやっと仕事が終わった。
急いで着替えて、向かう場所はただ一つ。
ある建物の入り、目的の部屋の前に立つ
すると、私に気づいた一人の男性は敬礼をし、
「あ！Aさん！お疲れ様です。今日も来てくださったのですか」
「まぁーね、これが私の楽しみだから」
「そうですか、ではごゆっくりどうぞ」
と"刑務官"が開けた扉の向こうには
「よう、A。今日も来てくれたのか」
ガラスで仕切られた向こう側に、クツクツと笑いながら蒼い瞳をこちらに向ける荼毘の姿があった。
「薄汚い刑務所に俺のためにわざわざ面会にな」
「そうだよ。貴方のために毎日私がここへ足を運ぶの。何故だかわかるでしょ？」
「はぁー。たくお前は本当こりねぇーやつだな。お前の噂は聞いてるぞ？爆発的に人気なヒーローのショートに熱烈なアプローチ受けてるんだってな？もう受けちまえよ」
「それをしない理由がここに足を運ぶ理由でもあるんだよ」
そういうと困ったように後頭部に手を当てる彼。
「お前は悪い男ばっかり好きになるのか？」
「ふふ、世間から見れば確かにそうかもね。けれど私は"貴方"を悪い男だなんて思ってないよ」
ふふん と笑う私に彼はまいったとでもいうように肩を落とす。
そして、顔を上げてふっと笑えば
「…たく、お前にはかなわねぇーよ。後悔するなよ？俺にお前を諦めさせてくれなかったこと」
「後悔なんてしないよ、だって私は…」
と言い切る前にピキリとヒビが入っていく私たちを阻む面会の窓ガラス。
驚く私にニヤリと笑う荼毘。
「この数十年間、何もしないとでも？」
パリィィィィン！！！と割れるガラス。そして、こちらに手を伸ばす荼毘。
いつの日かみた光景と重なる。
「迎えに来たぞ っておかしいな」
「ふふ、前にもこうして貴方が手を伸ばしてくれた」
「なら、待たせたな の方があってるか」
ほら、来るなら手をつかめ と私に手を差し伸べる。
その手を迷わず手に取って彼の手をギュッと握った。
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» わわ、緑の白猫様！今作でもコメントありがとうございます！ヒロアカの小説まで読んでいただけて感激です😭かなり納得した終わり方を書けたつもりなので貴方様からの最高の褒め言葉をいただけてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2022年2月7日 0時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - はっぴーえんどだ……。私が知っている作者様の中の作品で初めてみたはっぴーえんどだ……! 主人公が初めからちょっと可笑しいのがまた新しく感じ、最終的にヒーロー側につくとはまた違う、正しくはないかもしれないが幸せな道を選んだのが最高でした! (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - あゆりさん» コメントありがとうございます！1番好きだなんて…最高の褒め言葉です！死柄木くんの沼によりハマってしまいましたか。よっし、この調子だ()本当にこの作品を読んでくださりありがとうございました！今後とも応援よろしくお願いします！ (2020年5月16日 12時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
あゆり(プロフ) - 今まで読んできた作品の中で1番好きです！！Omisoさんのおかげで、もっと死柄木くんの沼にハマりました()これからも応援しています！ (2020年5月16日 11時) (レス) id: ce98ce751c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！本当に嬉しすぎるお言葉に喜びで胸がいっぱいです！また貴方様を楽しませる作品を作れたらいいなと思います！！今後とも応援の方よろしくお願いします！！ (2020年4月3日 7時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年2月10日 22時
