12話 ページ12
「お前は俺だけの大切な " モノ " だ」
その言葉は、弔にとって都合のいい駒でしかないことを意味している。
その事実はいくら知らないふりをしようとも変わらないこと。
「？A、どうした」
黙っている私を見かねてかそう言ってこちらに手を伸ばしてくる弔。
「〜ッ！」
信頼していた彼に裏切られた気持ちからか パシ！と思わずその手を弾いてしまった。
やってしまった と思ったが時すでに遅し、こちらを見る弔の顔はひどく怒った表情で
「…あ゛？急になんなんだよ」
勢いよくガッと首を掴まれれば、抑え込むようにベットに叩きつけられた。
「せっかくお前のこと褒めてやってるのにその態度はないだろ？いつもなら喜ぶのに今日はどうしたんだよ。なァ、答えろよ」
ギチギチと閉まっていく首、ぼやけていく視界。
「ッ弔…ごめんなッ…さい…許して…」
歪む視界の中で彼に手を伸ばし、許しを請うとスルリと首から離れる手。
息を思いっきり吸い、ホッとするもギロリとこちらをひと睨みする弔にビクリと体が跳ねる。
「…お前さ、なんで俺の手を弾いたんだよ。それを聞いてるんだけど」
怯える私に構わずイラついた口調でそう言われた。
貴方が私を駒としか見てないと分かったから。
なんてこと言えない。
そんなことを言ってしまえば…
私たちの関係はどうなってしまうのだろう。
「〜ッごめんなさい」
ただひたすら謝った。それしか思いつかなかったから。目の前の彼に、ただ許してもらうまで謝った。
しばらくすると落ち着いたのか、彼は不機嫌そうな顔から優しい顔になり
「……悪かったな、ちょっと虫の居所が悪かったんだよ。許してくれるだろ？」
さらりと髪を撫でられ、ジッと紅い瞳で見つめられる。
その瞳に映って、優しく彼に頭を撫でられて、
心地よい というより今では恐怖の方が勝ってしまう。
「私が悪かったから…なにも弔が謝ることないよ」
けれど、その恐怖心は表に出さずに口角を上げて笑顔とともにそう告げると
「そういう素直で従順なところを最高に気に入ってる」
私を抱き寄せこちらを見る目は、支配欲に溺れ、愉快そうだった。
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» わわ、緑の白猫様！今作でもコメントありがとうございます！ヒロアカの小説まで読んでいただけて感激です😭かなり納得した終わり方を書けたつもりなので貴方様からの最高の褒め言葉をいただけてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2022年2月7日 0時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - はっぴーえんどだ……。私が知っている作者様の中の作品で初めてみたはっぴーえんどだ……! 主人公が初めからちょっと可笑しいのがまた新しく感じ、最終的にヒーロー側につくとはまた違う、正しくはないかもしれないが幸せな道を選んだのが最高でした! (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - あゆりさん» コメントありがとうございます！1番好きだなんて…最高の褒め言葉です！死柄木くんの沼によりハマってしまいましたか。よっし、この調子だ()本当にこの作品を読んでくださりありがとうございました！今後とも応援よろしくお願いします！ (2020年5月16日 12時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
あゆり(プロフ) - 今まで読んできた作品の中で1番好きです！！Omisoさんのおかげで、もっと死柄木くんの沼にハマりました()これからも応援しています！ (2020年5月16日 11時) (レス) id: ce98ce751c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！本当に嬉しすぎるお言葉に喜びで胸がいっぱいです！また貴方様を楽しませる作品を作れたらいいなと思います！！今後とも応援の方よろしくお願いします！！ (2020年4月3日 7時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年2月10日 22時
