11話 ページ11
弔の威圧的で不機嫌さが伺える低い声が部屋に響く。
今はゴチャゴチャ考えている場合じゃない。
それに大好きな彼が褒めてくれるっていってるんだ。
違和感なんてどうでもいいことできっと気のせいだ。
「ッごめんなさい…弔…」
恐る恐る彼に寄り添うと強く抱き締られる。
「分かればいいんだよ。なんたってお前は…俺の大切な " モノ " だからな」
そう言って私の背中を撫でながら上機嫌にクツクツと笑う彼。
だけど、そんな彼とは反して彼がいうモノという言葉に顔を歪めてしまう。
いつもだったら大切な仲間とか存在といってくれるのになんでモノなんて表現を…
「今回は特にいい活躍してくれたよな。お前の素晴らしい個性を活かして俺を庇ってくれたこと心底嬉しかったぞ」
これからも"そういう"活躍を俺は期待してる。
と最後に言われたその一言。
その何気ない一言がガツンと頭を殴られるほどの衝撃を受けた。
そういう活躍…というその一言が意味してるのはきっと
これからもその個性で俺の為に体を張って盾になれ
ということだと分かってしまったから。
ふと、弔を庇うために背中に衝撃を受けて、抉られた痛みが蘇る。
あの痛みは大好きな貴方を守るためならと思い、受けたものだったのに。
今回の一言でその思いがピキッとヒビが入ったようにズキリと心が痛む。
それと同時に彼への疑心がモヤモヤと心を覆っていく。
彼は私をただのいい駒や盾にしか見ていなくて、
私がどうなろうとも彼にとっては構わないのではないかと…
だけど…それでも＿＿＿＿
そんなことはないと期待してしまう。
モノではなく、私自身を大切な存在として見てくれていると。
私だけは貴方の中で特別だと期待している。
だから…
「弔…私は貴方にとって大切で特別な" 存在 "？」
そう聞いてみると弔は目を細めて、こちらに優しく微笑みながら
「あぁ、もちろん。お前は俺だけの大切な"モノ"だ」
と答え、痛いぐらいに抱きしめられた。
モノ だという彼の言葉。
その言葉は脳裏にこびりついて離れず
彼の背中に手を回すことは出来なかった。
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» わわ、緑の白猫様！今作でもコメントありがとうございます！ヒロアカの小説まで読んでいただけて感激です😭かなり納得した終わり方を書けたつもりなので貴方様からの最高の褒め言葉をいただけてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2022年2月7日 0時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - はっぴーえんどだ……。私が知っている作者様の中の作品で初めてみたはっぴーえんどだ……! 主人公が初めからちょっと可笑しいのがまた新しく感じ、最終的にヒーロー側につくとはまた違う、正しくはないかもしれないが幸せな道を選んだのが最高でした! (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - あゆりさん» コメントありがとうございます！1番好きだなんて…最高の褒め言葉です！死柄木くんの沼によりハマってしまいましたか。よっし、この調子だ()本当にこの作品を読んでくださりありがとうございました！今後とも応援よろしくお願いします！ (2020年5月16日 12時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
あゆり(プロフ) - 今まで読んできた作品の中で1番好きです！！Omisoさんのおかげで、もっと死柄木くんの沼にハマりました()これからも応援しています！ (2020年5月16日 11時) (レス) id: ce98ce751c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！本当に嬉しすぎるお言葉に喜びで胸がいっぱいです！また貴方様を楽しませる作品を作れたらいいなと思います！！今後とも応援の方よろしくお願いします！！ (2020年4月3日 7時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年2月10日 22時
