後の祭り ページ23
・
「Aは俺の彼女なんで」
「え？」
その言葉に固まる俺の見知らぬ先輩。
目を見開く泉。
そして泉の肩を抱いて内心焦りまくる俺。
……ヤバい。面倒な嘘をついた。
後悔しても後の祭り。
「ああ……そう」
逃げるようにその場から立ち去った先輩の背中が完全に見えなくなると必然的に俺と泉の二人だけになってしまった。
「国見くん？」
どういうこと？普段は感情の起伏が乏しいこいつですら流石に戸惑ったような視線で俺に問う。
俺がこんな面倒な嘘をつくことになった原因はさかのぼること17分前になる。
「泉さん、居ますか？」
教室の扉から泉を呼ぶのは上級生だろうか。見知らぬ男子だった。
「あ、はい」
席を立つ泉の顔は明らかにダルそうで俺が話したこともないあの先輩は俺の中で勝手にイメージ最悪になっていた。
「ちょっといいかな？」
顔を赤くしながら泉に話すあの男｡なんか気持ちわる。そんな顔で泉に話しかけんなよ。
得体の知れないモヤモヤと霧に似た感情がだんだん心を頭を､体をと俺を支配していく。
この前からずっと感じてる「これ」｡
人は理解できないものを怖がる。それは俺も例外でなく、この説明しがたい気持ちにここ数日悩んでいた。
「あれは告白だね。」
「泉さんも彼氏できんのかな。」
前の方で女子がひそひそと話しているのが聞こえる。
そっか、よかったね。そう思うはずなのに。
俺の心はまったく反対のことを叫ぶ
泉が誰かと付き合う？
「嫌だ」
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
なんか嫌だ。
気づけば俺の足はあの二人が進んでいった道を追って動いていた。
「俺と付き合って下さい」
二人を見つけた時、そんな言葉が耳に飛び込んできて、
泉はどう答えるんだ。
次の言葉に緊張したのもつかの間、
「ごめんなさい」
頭を下げてあの先輩の想いを拒んだ泉に
俺の緊張は勢いよく解けていった。
「なんで？」
彼氏がいる？それとも好きなやつ？そう質問しながら泉に近づくあの先輩がうざくて、ムカついて、気持ち悪くて、
俺はとっさに泉に近づいてその小さな肩を抱くと
「Aは俺の彼女なんで」
そう口にしていた。
「え？」
これにはあの先輩も驚いて固まっていた。
そして、俺自身も｡
俺、何言ってるんだ。
泉を見ると目を見開いて言葉が出ないのか口をパクパクさせていた。
そして冒頭の今現在にいたる。
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秋暁 - すみません、まだ、パスワードかかっているんですが、どこかに書いてあるんですかね、汗 よみはじめたばかりでして、！すごくいいお話だと思います！ (2021年1月18日 19時) (
レス) id: a154798d09 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - uma__0229さん» コメントありがとうございます！続編は今書き直し中です｡今年中には公開予定なので､少しだけ待っていただけるとありがたいです！ (2020年12月7日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
uma__0229(プロフ) - 今更すみません、続編を見たいのですがパスワードが分からなくて……どこかに書いてあったりしますかね…つい最近初めてよく分からないんですよ… (2020年12月6日 12時) (レス) id: 5892a46a47 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コトさん» コメントありがとうございます！夢主の性格気に入って頂けて嬉しいです！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
コト(プロフ) - 主人公の性格が好きすぎて一気読みしました！ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 4d8ce1f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マカロニ | 作成日時：2018年12月16日 19時
