35話 ページ38
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「初めまして、私はマリー!あなたは?」
「え……っ?」
僕がベンチで本を読んでいると突然女の子が話しかけてきた。
本当にいきなりだったから、質問に返せずに動揺していると、彼女は笑いながら僕の隣に座った。
「名前よ、名前を聞いてるの!」
「えっと…僕はメローネ…」
「メローネちゃんね!」
「ち、違う!僕は男だ!!」
僕がそう言うと、彼女は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに先程までの笑顔を見せて、「あっはは、女の子に見えちゃった!」などと笑いながら言う。
「えへへ、メローネちゃん可愛いからこれあげる!」
そう言って渡されたものは黄色い1輪の花。
花にはあまり興味もなく、正直面倒くさかったので、僕は彼女を無視して本の続きを読み始めた。
「これね、マリーゴールドっていうの!」
「可愛いでしょ!メローネちゃんに似合うと思ったの!」
「メローネちゃんの髪の色にそっくり〜!」
「ねぇねぇメローネちゃん!」
僕が無視を続けてもなかなかどこかへ行ってくれない彼女。
それどころか、僕を置いて一人でずーっと喋っている。
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「………帰らなくていいの?」
当たりが暗くなり、本も読みづらくなってきたので、僕はパタンと本を閉じ、彼女に問掛ける。
彼女は、僕が口を聞いてくれたことが嬉しかったのか、ぱあっと笑顔になったが、その質問の内容によって、その笑顔は少しずつ曇っていき、最後にはあからさまな作り笑いをしながら「大丈夫だよ」と言った。
「僕は帰るけど、君はどうするの?」
「私は………。もうちょっとここにいようかな…!丁度暑かったから夜の涼しい風にでもあたりたい気分!」
彼女は曇った笑顔のまま、そう言った。
少し心配になったが、僕には関係ないことだ。
ベンチから立ち上がり、じゃあね、と小さく呟いてからその場を去る。
君が悲しそうな顔で僕に手を伸ばしていたなんて、その時の僕は知らなかった。
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やまねこ(プロフ) - まるさん» 外したのは確認したはずなのですが、また付いていました。申し訳ございません。、ご指摘ありがとうございます。何かしらのバグかもしれないので、1度運営に問い合わせてみます。 (2018年11月28日 22時) (レス) id: 0506de94f9 (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグ、外れていません。編集画面の注意事項をちゃんと読まれたのでしょうか?コメント欄の上の設定キーワードの右端に「オリジナル作品」と出てます。外れていません (2018年11月28日 21時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
やまねこ(プロフ) - コメントで削除宣言をしてしまいましたが、お気に入りに登録してくださっている方、評価をしてくださっている方がいらっしゃるため、これからは利用規約等きちんと確認し、皆様のご迷惑のないよう、気をつけますので、これからもどうかよろしくお願いします。 (2018年11月22日 20時) (レス) id: 0506de94f9 (このIDを非表示/違反報告)
やまねこ(プロフ) - まるさん» ご注意、誠に感謝致します。占いツクール初心者故、そのような所の意識が出来ておりませんでした。皆様の不快になるような事をしてしまい申し訳ございません。作品は消させていただきます。ありがとうございました。 (2018年11月22日 16時) (レス) id: 0506de94f9 (このIDを非表示/違反報告)
まる - そうした違反作品が増え、占ツクが無法地帯だと言われる要因の一つにもなります。ルールをきちんと理解し、守り、皆が楽しく活動できる占ツクになるようご協力下さい (2018年11月22日 3時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまねこ | 作成日時:2018年11月21日 23時