オマエの姉ちゃん、オレの嫁３【東京リベンジャーズ】

♯１１３ ページ15

三ツ谷「マイキーが一虎を…殺しちまう！」




もう誰もマイキーくんを止められない。
そう、みんなが立ち竦む。

マイキーくんはまだ子供だ。総長だからと他人に弱みを見せない、弱い弱い子供。ドラケンくんの時だってそうだった。お兄さんの死を、受け入れられていない。消えることのない苦難を１人で抱えているんだ。
……どうして、キミは１人じゃないと、言ってあげられなかったんだろう。




『マイキーくん待って！』


ﾏｲｷｰ「邪魔すんな」


『やめてよ！かずくん死んじゃうってば！！』




腕を掴んでも振り払われる。これが、マイキーくんの背負った闇。大切な人達の死を目にして増幅していった、大きな大きな十字架だ。

ああ、ダメだ……声が届かないっ…！！




『かずくんも抵抗しなよ！！』




かずくんに覆い被さるけど、退けという圧が怖くて、そして圧倒的な力量差を前にした無力感で、涙が零れそうになった。




一虎「……ネックレス…」




パーカーから覗いたのは、かずくんがお揃いで買ってくれたネックレス。
かずくんの瞳に薄らと光が灯った。




『痛っ…！』


一虎「A……ぐっ…何して、くれてんだよ…マイキーッ！！」




マイキーくんは私の腕を掴んで、後ろの方に突き飛ばした。マイキーくんはかずくんを殴るのを止めない。何を思ったのか、かずくんは立ち上がってマイキーくんに応戦し始めた。
止まらない。２人の確執は、大きくなりすぎた。私はなんて無力なんだろう。人質として連れてこられて、目の前で友人の死にゆく様を見ていることしか出来ないなんて。私が泣くところじゃないなんて、分かっているのに。涙が、零れ落ちた。





ﾏｲｷｰ「殺す……オマエは絶対に…！」

♯１１４→←♯１１２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す