三百四十七番星 ページ27
……しなやか。
この一言に尽きる剣技。受け凌ぎ、すぐ次の攻撃に転じる滑らかな動き。マーリンが見込むだけある。
だがまだ攻撃の威力が足りない。
どう対処する?どう戦う?
アーサーに動きがあるまで攻め続ける。
『お、』
ガッ、と木刀がぶつかり合う音がした。
アーサーは私の動きを目で追っていた。癖や、タイミングや、速さに慣れる為に。私は攻めていたんじゃない、攻めさせられていたのだ。鳴呼、してやられた…!
誘い込まれた私は木刀を突かれて隙だらけ。
アーサー「今……!!」
『いける、とか思うなよ』
木刀を掴んだままの左腕は、突きの勢いで後ろに。身を翻して左手で地面に手を着き、アーサーの腕を蹴り上げる。バク転をして着地するが、アーサーも刀を離してはいないらしい。
相手にとって不足なし、だな。
アーサー「凄い…けど、負けないよ!
……来いッ!!」
『…!』
経験値も、速さも、きっと私の方が上。だけど、負ける気は更々無いらしい。
何だか、私も昂ってる。
そんな堂々とした姿に、何故だか錆兎を重ねてしまった。
“漢らしく”を胸に、地道な努力を積んで柱に登りつめたあの男。
諦めないのは、口で言う程簡単じゃない。けれど彼奴は、自分を叱咤し、時に鼓舞しながらそれをやってのけた。
共に稽古をしている時を思い出した。
_______『星の呼吸参の型』
彼奴に一番相性が良かった技。これを受け流すときは何時も眉根を寄せていたっけ。
『流星光線』
力強く踏み込んで、相手の懐に飛び込む。驚きながらも受け流そうとする相手の表情が伺えた。
ギル「えっ!?」
ハウザー「は、ちょっ……危ねェ!!」
『………あッ、』
二人の声に意識が浮上するも、既に木刀どうしが鎬を削っていた。このまま振り切ったらアーサーが危ない。
咄嗟に手を木刀から離すと、アーサーも私も技の勢いで吹き飛んだ。
ギル「A!アーサー王!二人とも無事か!?」
ハウザー「おいおい、大丈夫かよ!?」
咄嗟に飛び出したギルとハウザーに受け止められ、私達は母豚殿から振り落とされることも、怪我をすることも無かった。
202人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» ほんとにいつもありがとうございます!!超励みになります😭✨更新不定期なのに待っていてくださって、ほんと感謝です!!!これからもよろしくお願いします〜💖💖 (2023年3月11日 23時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» ハートの通知は区切りのいいとき(10個押されました、など)に来るようになってます!誰が押したかはわからないです!いえいえ全然!!こはねさんはいつもコメントくださるので嬉しいです!!コメント1つでハート100個分くらいの嬉しさがあります💞 (2023年3月11日 23時) (レス) @page48 id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - 来るんだったら、私こんなにコメントしてくる癖にハート押さずに終わるなんて酷すぎないか、、!?と思ったところです、、、、。 (2023年3月11日 23時) (レス) id: f36870967d (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - 私続きが気になりすぎて、ハート押さずにすぐ次にいくんですけど、ハート押したらこはねさんがハート押しました的な通知って来るんですかね、、?? (2023年3月11日 23時) (レス) @page47 id: f36870967d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» この終わり方自分的に大満足だったのでそう言っていただけて嬉しいですෆ この先ちょっとストーリーが精神的ダメージ大きいので…何回か書き直すかもです……。どんどん更新していきますね!コメントありがとうございます⸜(*ˊᵕˋ*)⸝ (2023年3月9日 23時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミルクレープ | 作成日時:2022年8月16日 13時