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学校に着いたので、教室へ向かおうとする。
教室にはクラスの半分くらいしかまだ来ている人がいなかった。
肝心の笑琉はというと、どうやら先に着いていたらしく、自分の席に座って読書をしていた。
ひょっとしたら体調崩したから休みなのでは、と思っていたが、そんな事はなかった。
それでも何故先に学校に着いていたのかが気になったが、読書の時間を邪魔するのは失礼だと思ったので聞くのはまた後にしよう。
すると笑琉が立ち上がり、私の存在に気づいたのか、此方へ近寄ってくる。
「・・・あ、Aじゃん」
このタイミングで聞いてみた方がいいかな。
なんで私と登校してくれなくなったの、と聞くとなんか重く感じるので、柔らかめの言葉に直して彼に聞く。
『先に学校来てるの珍しいね、なんかあった？』
「部活の朝練があると思って早く来たんだけどさ、今日ねぇじゃんって思って。連絡入れられなくてごめんな」
『いや別に連絡はいいんだけど。でも部活の練習日は間違えないでしょ』
「遅刻して説教食らうよりかはいいだろ」
『まぁそうだけど・・・』
そんな話をしているともう朝の学活が始まる時間になった。
早く部活やりたい・・・
そして放課後、私は園芸部の活動場所である花壇へと向かう。
が、しかし。2組はもうとっくに学活が終わっている筈なのに凛は何処にも見当たらない。
今日って部活無かったっけ？
『あれ、凛は・・・？』
と、周りをキョロキョロとして凛を探していると、校舎から花壇の方まで誰かが走ってきた。
私にはそれが凛だとすぐに理解した。
「Aごめん！遅れた！」
『大丈夫。どうしたの？』
「日直の仕事があって遅れちゃった」
『日直の仕事は仕方ないよ、ほら、早く水やりの準備しよう』
花壇を眺めているが、花たちはまだまだ咲く気配はない。
まぁ、アネモネも、サクラソウも、クロッカスも来年の4月に丁度咲くように植えてある。
早く4月になって欲しい。
綺麗な花たちを眺めたいから。
でも、4月にならないで欲しいなんて思ったり。
好きな人、もとい笑琉に告白すると決めているから。
どうせ振られる事なんて安易に想像できる。
『・・・はぁ』
「なに、今日A元気無いけどどうした？」
『あ〜・・・まだまだ蒸し暑いなぁって』
「違うでしょ」
否定をする彼女は真剣な顔で、瞳は私を貫くような強い眼差しを私に向けていた。
「何十年も一緒に居たんだからAの事は誰より知ってる自信あるけど」
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作者名：七瀬紫苑(レイピアさん。) | 作成日時：2021年2月14日 21時
