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第十六話 ハンカチ ページ18

鏡花side


彼女が開けた部屋の中には幼い頃、彼らと遊んだ時に買った玩具やぬ

いぐるみがあった。


鏡「なんで、こんな所に…?」

リン「知らない。わたしが気づいたときにはこの部屋があった。」


彼女は近くにあった兎のぬいぐるみを手に取る。


リン「でも、ここにあるものからは全部、楽しいっていう気持ちが伝

わる。」

鏡「楽しい?」


彼女の言っていることが私は分からなかった。

だって、物から伝わるなんて、あり得ないことだから。


リン「…何ぼーっと突っ立ってるの?こっちにきなよ。」

鏡「…う、うん。」


彼女の冷たい声に私は少し体がこわばった。


リン「そこ、座ってて。飲み物持ってくるから。」


そう言って彼女は部屋を出ていく。

1人残されてしまった私は部屋をぐるっと見回した。

そこに一つ、私の目に留まったものがあった。


鏡「これって…」


それは、昔、両親からのプレゼントとして渡されたウサギがプリント

されたハンカチだった。

ハンカチの端っこには『鏡花』と刺繍もされている。


鏡(まだ、あったんだ。もう、何処にも無いと思ってたのに。)


私はハンカチをギュッと握り締めた。

微かな記憶の中に残る両親の顔が浮かんだ。

鏡「…会いたい、な…」


ガチャ


リン「飲み物、持ってきたよ…?何してるの。」

鏡「あっ…えっと、懐かしいものを見つけて…」


私は彼女に向けてハンカチを広げて見せる。


リン「…これ、名前入ってる。」

鏡「お母さんが、入れてくれたの。プレゼントでって。」


鏡花(確か、あれは…)

—————————————————————————————————

ハンカチのくだりは作りました!

第十七話 淡いおもいで→←第十五話 だれ?



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アオココ??(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2月4日 23時) (レス) @page14 id: f0bb7d451a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mira | 作成日時:2023年11月26日 17時

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