285話 ページ49
Sirius side
Aに惚れていると自覚してから、そんなに経っていない
気づけば目で追っていたり、ジェームズがAにデレデレとしている所を見たり、リーマスと仲良さそうに話している所を見て心がモヤモヤして何故かあの二人に苛立ったり、ムカついたりもした
俺はただ好きだと分かってから、あの二人と違って何もしていなかった
「...」
あまり眠れないし、気分転換に寄るの散歩でもするか...
ソッとベッドから出て、部屋を出る
男子寮を出て、ソッとグリフィンドールの扉を開け、閉めかけた時だ
「......カレン...？」
緑がかった青色の髪がなびいているのが見えた為、Aがミヤノ寮を出てきたのだろうと考える
たぶん俺には気づいていないだろうと思い、興味本位で後ろをつけてみる事にした
真っ暗な廊下には星の淡い光が射していて、Aから10mほど距離を取りつつ音を立てぬ様にと忍び足でついていく
一つの角を曲がった瞬間、思わず一歩下がって身を隠した
「......ッ!!」
Aが緑がかった青色の髪をなびかせながら満点の夜空を見上げていたからだ
俺は誰にも聞こえない様な小さな声で「綺麗だ.../////(ﾎﾞｿｯ」と呟き、思わず見惚れてしまっていた
Aはその後、窓際に座りつつ懐からハープを取り出し、膝に乗せたまま静かに奏でている
切れ長の目が伏し目がちになっていて月光の光で浴びている所為かいつも以上に美しく、演奏する姿は神々しいが、伏し目がちになっている所為か何処か儚げな印象だった
その姿に思わず見惚れてしまい、俺は隠れる事もなく忘れ、その場に立ち尽くした
ハープの音色の中には喜び、怒り、哀しみ、楽しさ、たくさんの感情が込められていて__
しばらくボーッと聞き惚れていると、ふとダンブルドアが現れた為、慌てて角に隠れる
「________」
『________』
やがて二人は話し始めたが、少し距離もあった所為でよく聞き取れなかった
不意に話が終わったのか、目の前をAがハープを持ちながら歩いて行った
ビビった...一瞬でAにバレるかと思った...
気づかれなかった事にホッと胸を撫で下ろそうとした瞬間...
「いつまで隠れておるつもりじゃ？Mr.ブラック」
「ッ!?」
ダンブルドアの声に撫で下ろしかけた手で瞬時に口を押さえたせいで息がつまりそうになった
「...」
大きく息を吸ってから前に出るとダンブルドアが怒っておらず、むしろニコリと微笑んだ
「Mr.ブラック、音楽とはまさに奇跡じゃ。お主もそう思うじゃろう？」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名：黒羽明菜 | 作成日時：2020年12月20日 15時
