キミハイラナイヨ。3

第91話 ナオさん ページ7

七瀬「さてぇ…そろそろ行こうかなー。」
カンナ「あ、七瀬ちゃんが行くなら私も…ソウさんはどうします？」
ソウ「ボクはもう少し休んでようかな…そうだ、カンナちゃんに話したいことがあって…」
カンナ「？…じゃあ、私はもう少しここにいます。七瀬ちゃんは行ってていいよ。」
七瀬「はーい」

恐らくサラさん達がいるであろう『鏡』の部屋に行くと、
左右に分かれた部屋の左側に鏡にぼんやりと写る様に置かれた、サラさんの人形に目が行った。
七瀬「うっわぁすごい精巧…気味悪いわ。」
ケイジ「ロシアンルーレットをやった部屋に置いてあってねー。相当長く細かく見てないとこんなの作れないよね。」
サラ「……」
七瀬「…一応、気をつけてくださいね。あの人犯人側の可能性もありますから。」
サラ「あぁ…それより、後は私がここに立つだけで左右対称になるんです。1度部屋を出てくれませんか？」
ケイジ「おーけー。危険だったら大声で呼んでね。」

サラさんが鏡の前に立ったのか、大きな音を立てて鉄格子で塞がれた通路が開いた。
ケイジ「おー。通れるようになったね。」
サラ「あっ！開いてる…！」
七瀬「行ってみます？」
ケイジ「それしかないよねー。」

【2階 奥】
七瀬「あ、鍵。」
ケイジ「鍵だねー。」
ギン「…フダが…付いてるニャン。」
ケイジ「調理室の鍵…だってさ。」
サラ「そういえば…1階は調理室だけまだ入ってませんね。」
ケイジ「鍵がここにあるから、窓を割らない限りはナオちゃんも入れないハズだが…」
七瀬「誰かがもともと持ってて、開けてナオさんを中に入れた後でここに投げ込んだとか。」
サラ「ありそうだな…」
ケイジ「取り敢えず行ってみよーか。捜査は地道にコツコツが大事だよ。」

〈1階 調理室の前〉
調理室は横に細長く、窓越しに青い冷蔵庫があるのがわかる。
残念ながらここからナオさんは見えない。
ケイジ「入ってみるかい？」
七瀬「何言ってんですか入るしかなくないですか？」
ケイジ「…そうだねー。」
サラ「…開けますよ。私は外で見てますので。」


調理室の1番奥に、ナオさんが佇んでいた。

傍らには、ミシマ先生の首の入った箱が置かれている。




私なら分かるんだ。




大切な人を、自ら殺した私は。







“大切な人”が、どれだけ大切なのか。


ナオ「……」


七瀬「…ナオさん。」

第92話 大切な人→←お聞きしたいことが一点あります。

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